Nation Blue (event)/Commus
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Contents
OP: Blue Sky Gradation
Blue Sky Gradation |
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事務所に集められた凛、楓、美波、李衣菜、蘭子はフェスのステージに5人で立つことを告げられる。蘭子が凛と考えたユニット名も無事決まり、一同はステージを成功させることを誓うのだった。 |
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事務所 |
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Minami |
みんな、おはよう ! |
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Kaede |
おはよう、美波ちゃん。みんなも。 |
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Ranko |
フフフ……煩わしい太陽ね。 |
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Rin |
おはよう。 このメンバーは久しぶりだね。 |
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Riina |
ふぅ……ロッカーってのは、朝が苦手なんだけどな……。 みんな、元気だね。 で、今日はみんなで集まってどうしたの? |
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Minami |
それについては、プロデューサーさんから ! |
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フェスのステージに5人で出ることになったと伝えた |
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Kaede |
フェスのステージ……楽しみですね。 |
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Minami |
ということで、今日からステージの日まで、 団結して頑張っていきましょう ! |
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Ranko |
我らの秘められし力、重ね合わせて、 宴では大いなる魔法を唱えようぞ ! |
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Riina |
あー、うん。よろしく。 曲は、『Nation Blue』なのかな? |
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Rin |
そうだね。 このメンバーで集まるのはレコーディング以来だから、 レッスンしなくちゃ。 |
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Minami |
凛ちゃん、その前にまず……アレを、ね ! |
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Rin |
アレ……あぁ、うん。 |
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Riina |
アレって? なにかあるの? |
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Kaede |
ふふふ、なにかしら~? |
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Minami |
フェスに出るにあたって、 期間限定のユニット名が必要ってことで…… 蘭子ちゃんに考えてもらいました ! |
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Riina |
えっ、そうなの? |
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Ranko |
う、うん…… ! |
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Kaede |
じゃあ蘭子ちゃん、私たちのユニット名、教えてくれる? |
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Ranko |
ウム ! その名も……。 |
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Riina |
その名も……? |
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Ranko |
《蒼ノ楽団》、 『アズール・ムジカ』 ! |
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Rin |
……うん。 |
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Kaede |
あら、ずいぶんカッコイイ名前にしたのね~。 いいんじゃないかしら。衣装も青いし。 |
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Minami |
ふふっ。 さすが、こういうのは蘭子ちゃんに考えてもらうのが一番ね ! |
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Riina |
……な、なんか、蘭子ちゃんより凛ちゃんの方が頷いてるけど。 もうちょっとロックさがあってもいいかと思ったけど、 まぁ、カッコイイからいいか。 |
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Ranko |
この二つ名を付けるにあたっては、 私が持つ魔道書に刻まれたワードだけでは足らず…… その、凛ちゃんにも、考えてもらったの。 |
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Kaede |
あら、そうだったの? |
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Minami |
なかなか、独特な世界観を広げたのね。 さすが凛ちゃん。 |
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Rin |
いや、私はちょっと助言をしたくらいで……、 そんなにたいしたことは……。 |
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Ranko |
私をもしのぐ数々の知識…… 真結界の奥に潜む闇はさぞや深いとみた ! |
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Rin |
ちょっと、闇って……。 |
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Minami |
まぁ、ユニット名も決まったところで、 あらためて頑張っていきましょう ! |
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Riina |
おー ! カッコイイステージを作ろう ! |
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Kaede |
そうね。 じゃあ、流れで美波ちゃん、リーダーお願いするわね♪ |
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Minami |
えぇっ ! ? わ、私ですか? ……えぇと……あ、そうですね、この中なら私が適任なのかな。 じゃあ、みんな、よろしくお願いしますね ! |
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Rin |
うん、よろしく。 じゃあ美波、なにかあったら私も手伝うから。 |
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Kaede |
美波ちゃんがコンダクターなら、 凛ちゃんはインスペクターかしら。 |
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Riina |
コンダクター? インスペクター? えっと……なんですかそれ? |
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Minami |
オーケストラの楽団の、指揮者と、 マネージャーみたいなもの……だったかな。 |
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Riina |
へぇ……カッコイイじゃん。いいなぁ……。 |
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Kaede |
ねぇ蘭子ちゃん、私は何だったかしら? |
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Ranko |
えっと……せ、世紀末歌姫 ! |
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Kaede |
ありがとう。 世紀末歌姫、コンダクター、インスペクターね。 じゃあ、蘭子ちゃんは? |
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Ranko |
ククク……この楽団では、幻想の演出家とでも名乗ろうか ! |
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Minami |
うん、蘭子ちゃんの世界観を生かして、私たちを演出してね。 |
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Riina |
じゃっ、じゃあじゃあ、私は ! ? 私の役職はなに ! ? |
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Kaede |
それは、もちろん……ねぇ? |
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Ranko |
ウム ! その名も……。 |
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Riina |
その名も……? |
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Ranko |
ロック担当 ! ! |
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Riina |
やったー ! って、それじゃいつもと同じだよ~ ! ! |
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Kaede |
まぁまぁ。 じゃあ、みんなで団結して、ステージを成功させましょうね。 |
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Rin |
うん。 はいっ ! えぇ ! |
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Riina |
ちょっと~ ! 私にもカッコイイ二つ名を付けてよ~ ! ! |
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Chapter 1: ともに舞台に上がる仲間
ともに舞台に上がる仲間 |
事務所 |
Kaede: あらためて、今回は久しぶりによろしくね。 蘭子ちゃん、凛ちゃん。 |
Ranko: うむ ! ともに高みを目指そうぞ ! |
Rin: よろしく……お願いします。 |
Kaede: あら、いつも通りでいいのよ、凛ちゃん。 |
Rin: えっ……いつも通りって。 |
Kaede: そんな、敬語なんて使わなくたって。 同じユニットの仲間同士じゃない。 |
Rin: そうだけど……一応、年長者、だから。 |
Kaede: ふふっ。20代は私だけだものね。 淋しいわぁ。ねぇ蘭子ちゃん、なぐさめてくれる~? |
Ranko: なっ、なにを……いかように……? |
Kaede: それは、いろいろとよ、いろいろと……ふふふ……。 |
Ranko: か、楓さん…… ! ? |
Rin: 楓さん、蘭子が困ってるよ……。 |
Kaede: はーい。ごめんなさい。 みんなと一緒だから、ついはしゃいじゃって。 |
Ranko: ふぅっ……。 世紀末歌姫のオーラに飲まれてしまうところであったわ……。 |
Kaede: ごめんね。 でも蘭子ちゃんも、普通に接してくれていいのよ。 私、特別な存在なんかじゃないんだから。 |
Ranko: ……う、うむ。 して、か、楓さん……に、聞きたいことがあるのだけど……。 |
Kaede: あら、なにかしら? 何でも聞いてちょうだい。 |
Ranko: その、どうしたら、楓さんみたいな大人になれますか……? |
Kaede: どうしたら……? そんな質問が来ると思ってなかったから…… う~ん、そうね……どうしたら、ねぇ……。 |
Rin: たしかに、楓さんってミステリアスだってみんな言ってるし、 どういう生き方をしたらそうなるのか、気になるね……。 |
Ranko: うん ! うん ! |
Kaede: えぇと、そうね……アイドルになる前はモデルで…… その前は学生で……世間一般の人と、 そう大差ない人生を送ってきたと思うのだけど……。 |
Ranko: そのわりには、秘められしオーラの量が はるかに多いように感じるのだが……。 |
Rin: うん。 なんか、ただ者じゃないって感じがするんだけど、 それはどうしてなのかな。 |
Kaede: それは……。 |
Ranko: それは……? |
Kaede: そう、感じたいからじゃないかしら。 高垣楓はミステリアスで、高垣楓は完璧で、高垣楓は特別で…… そう思いたい人たちの意志が、本当の私を隠しているのよ。 |
Ranko: ……それは……なるほど。 |
Kaede: えぇ。そういうものを求められているから、 私はそう観られることを否定しないの。 |
Kaede: でも、本当はどこにでもいる普通の人間ってこと、 みんなには分かっていてもらえたら、嬉しいわ。 |
Rin: ……うん。そうだね。 |
Ranko: えぇ……私たちは、ともに舞台に上がる、仲間だから ! |
Kaede: ふふ。心強いわね。 じゃあ、あらためて、これからよろしくね。 蘭子ちゃん、凛ちゃん。 |
Chapter 2: スタートライン
スタートライン |
レッスンルーム |
Riina: よーっし ! レッスンするぞ~ ! ロック担当ってだけじゃなく、私がやればできるところも、 みんなに見せつけてやるんだから ! |
Minami: 李衣菜ちゃん、気合いが入ってるのね。 よーし、私も負けないよ ! |
Riina: おっ、美波さんもやる気ですね。 ま、この私も負けないんですけどね ! |
Minami: ふふっ。 李衣菜ちゃんのロックなところ、勉強させてもらいます♪ |
Riina: う、うん、任せてください ! っていっても、ロックは教わるものじゃなくて、 感じるものなんだけどね ! |
Minami: なるほど…… 『ロックは感じるもの』、と……。 勉強になります ! |
Riina: や、やめてくださいよ~。 |
Minami: ふふっ。 |
Kaede: ロック…… ロック…… ロックごじゅうし……。 |
Riina: あっ、楓さん、お疲れさまです ! って、もしかして楓さんもレッスンですか? |
Kaede: あ、お疲れさま。 その、もしかして楓さんもレッスンなのだけど、 ……なにか、おかしかったかしら? |
Riina: い、いや、全然、おかしくないです ! なんか、楓さんがレッスンするイメージがなかっただけで……。 |
Kaede: ふふ。私だって、レッスンくらいしますよ。 |
Riina: そ、そうですよね。すいません……。 |
Kaede: 私は李衣菜ちゃんほどロックについて詳しくないですし、 美波ちゃんほど、たくさん資格を持っているわけでもないんです。 |
Kaede: もちろん、レッスンをしなければ歌もダンスも覚えられませんし、 ステージの上では緊張だってしちゃうんですから。 |
Minami: みんな一緒、ですね。 |
Riina: じゃあ、これからは一緒にレッスンしましょう ! 私が教えられることだったら、手伝いますから ! |
Kaede: ふふっ。ありがたいです。 じゃあ、李衣菜ちゃんは音感やリズム感がいいって聞いたから、 ダンスについて教えてもらおうかしら。 |
Riina: い、いやぁ……それほどでもないですけどね ! まぁ、音感っていうか、耳がいいっていうか、 リズム感は天性のものっていうか。えへへ……。 |
Kaede: さすがですね~。 ついでにギターも教えてもらっちゃったりして。 |
Riina: ……え? |
Kaede: あら、ダメでした? |
Riina: あー、いや、その、ほら、やっぱりまずは、 ステージに集中しましょうよ ! フェスまで時間を無駄にしたくないですし ! |
Minami: ふふっ。そうですね。 みんなで合わせて、最高のパフォーマンスにしましょう ! |
Kaede: そうですね。じゃあ、ギターはまた今度♪ |
Riina: あっ、は、はい ! えーと、じゃあ、まずはレッスンの前に着替えましょうか ! |
Kaede: はぁい♪ |
Minami: ……ふふっ。 李衣菜ちゃん、お互いにフォローしあいながら、頑張ろうね ! |
Riina: うん ! |
Riina: はぁ~……ふぅ~。 私もできるってところ、証明しなきゃ ! よーし、やるぞー ! |
Chapter 3: 可能性の扉
可能性の扉 |
フェス当日 |
Riina: ついに今日がLIVEステージ本番 ! あったまってきたなぁ~ ! |
Rin: 李衣菜、やる気だね。 |
Ranko: クックック……我が器に魔力は満ちた ! いまこそ、極大呪文を詠唱するとき ! |
Rin: 蘭子も、やる気だね……。 |
Riina: うんうん、その意気だね ! 蘭子ちゃんも、燃えてるじゃん ! |
Ranko: フフフ……今日の私は楽団を構成する一人。 欠けた月を補う一片のピース。 ともに手を携えて、歌い上げようぞ ! |
Riina: うん、あいかわらず言葉はちょっと難しいけど…… 協力して頑張ろうね ! 今日の私は、ロックだけじゃないってところを見せるからさ ! |
Rin: へぇ……二人とも、ちょっと意外だな。 |
Riina: へ? |
Ranko: なにが? |
Rin: ……あぁ、二人とも、 それぞれ大事にしているものが違うと思ってたから。 |
Ranko: それは、いかにも。 |
Riina: うん。 私はロックが大事だし、蘭子ちゃんはゴシックが大事なのは 変わらないよ。ね? |
Ranko: うむ。 |
Rin: でも、いまはそうじゃないように見えるけど……。 |
Riina: そうだね。だって、いまはユニットの一人だから ! |
Ranko: 《蒼ノ楽団》の楽団員である以上、 守るべき、優先すべきは個ではなく全。 ゆえに、我らは個ではなく、楽団のために歌うの ! |
Rin: ふーん……そういう考え方なんだ。 |
Riina: 今回は期間限定のユニットでしょ? いつものユニットでも、ソロでもないじゃん。 だから、いまの私たち5人を楽しみたくてさ ! |
Ranko: 帰る場所は常にあるし、 独りでの戦いに赴くことは、いつでもできる。 |
Riina: そう、それに、今回みたいにいろんなユニットを組む機会は いつでもあるわけじゃないしさ。 しかも、その度にどんな音楽がやれるか、毎回分からないし。 |
Ranko: 私と、李衣菜さんが組むことは、いままでなかった。 プロジェクトが同じでも、ユニットは違う。 ゆえに、この宴は、可能性の扉……。 |
Riina: だから、私たちなりの音楽をセッションしよう、 楽しもうって話してたんだ。 それって、結構ロックじゃない? |
Rin: そうだね。 たしかに、どんなステージになるかわからない。 |
Ranko: そう……まだ見ぬ歓喜に、心が震えているわ……。 |
Riina: この5人で最高のステージができたら、 それが私にとってのロックかなって ! へへっ ! |
Rin: 李衣菜……見直したよ。 |
Riina: えぇっ ! ? 見直したって、それどういうことー ! ? |
Rin: ふふ。言葉通りだけど。 |
Riina: まったく、失礼しちゃうなー ! とにかく、今日は全力で楽しんでいこう ! 私たちでしか歌えない歌を、歌うためにね ! |
Ranko: さぁ往こう ! 魂の……赴くままに ! |
Chapter 4: ステージの輝き
ステージの輝き |
ステージ袖 |
Rin: ついに、私たちのユニットの、出番……か。 |
Riina: どんな舞台になるか、楽しみだね ! |
Minami: うん、ドキドキしてきた…… ! |
Rin: LIVEの前にステージ裏で控えてると、よく思うんだ。 ファンのみんなが、たくさんの人が楽しみにしている…… 私たちを、待っててくれてるんだって。 |
Riina: そうだね、みんながわくわくしてるのが、 舞台裏にいる私たちにまで伝わってくるのを感じるよ ! |
Rin: でも、それって 私はすごいことだと思うんだ。 だって、私はそんな楽しみにされる人間なんかじゃないから。 |
Minami: そう、かなぁ? |
Rin: だって、街を歩いてる私を気にとめる人なんていない。 けどそんな私が、ステージに立つだけで、 たくさんの人に歓声をもらうことができる。 |
Rin: それって、ステージの上に立つアイドルだから、じゃないかな。 |
Riina: そうだね。 ステージの上で、スポットライトを浴びられるのは、 アイドルだからだよね。 |
Rin: うん。 ただの私を、衣装とステージと、ファンの声が変えてくれるんだ。 アイドルっていう存在に。 |
Minami: 私も、ステージの上では、 なんだか自分が自分じゃなくなっちゃうみたいに感じるなぁ……。 |
Rin: 美波は、ちょっと変わりすぎだけど……。 |
Riina: だね ! |
Minami: えぇっ、私、そんなに変 ! ? |
Rin: 変っていうか、アイドルの美波と素の美波はだいぶ違うよね。 |
Riina: こっちが驚くくらいにね ! テンションも高いし ! |
Minami: そう、かなぁ……あんまり自覚は無かったんだけど、 じゃあ、今度から気をつけるね ! |
Rin: いや、気をつけなくっていいと思う。 それが美波のいいところだと感じるし。 |
Riina: 二重人格とまでは言わないけどさ……なんか、かっこいいじゃん。 |
Minami: えぇっ、凛ちゃんも、李衣菜ちゃんも、それ、褒めてる……? |
Rin: ……褒めてる? |
Riina: 褒めてるって言うのとは、ちょっと違う……かなぁ? |
Rin: うん。褒めてるわけでは、ないかな。 |
Minami: そんなぁ……。 |
Rin: 褒めてるわけではないけど、認めてる。 ステージの上での美波は、たしかに輝いてるから。 |
Minami: 凛ちゃん……。ありがとう ! 凛ちゃんも、ステージの上ではすっごくキラキラしてるよ ! もちろん、李衣菜ちゃんも ! |
Rin: ふふ。やめてよ。 私は、ステージの上でも私らしくいたいだけだよ。 |
Riina: そうそう ! ステージの上でどうふるまうか…… それを自分で決められるってのも、ロックじゃない? |
Minami: ん~…… よくわからないけど、ロックって、そういうものなのかな? |
Rin: さぁ……李衣菜のいうロックは、李衣菜流だから。 ふふっ。 |
Riina: な、なんだよ~ ! 自分がロックだと思ったら、ロックなんだから ! |
Minami: ふふ、それがロックなんだね ! |
Riina: んぐぐ……絶対分かってないな~…… いいよ、このステージで、凛ちゃんにも美波さんにも、 みんなに分からせてあげるんだから~ ! ! |
Chapter 5: お姉さんが教えてあげる
お姉さんが教えてあげる |
LIVE後 |
Minami: みんな、ステージお疲れさま ! |
Kaede: おつかれさま~。私たちらしいステージ、披露できたかしら。 |
Ranko: うむ……私たちにしか放てぬ奇跡を、舞台に描いたわ ! |
Kaede: 奇跡を披露して、疲労しちゃったわね~。 |
Minami: ふふっ。お疲れですね。 今日までレッスンも多かったですし、 ようやくゆっくり休めますね。 |
Kaede: えぇ。 でも、一番頑張っていたのは美波ちゃんだって、 みんな分かっていますから。 |
Minami: そんなこと、ありませんよ~ ! |
Ranko: みなを導くその姿、まさに天上の女神のよう…… ! |
Minami: め、女神とか、そういうのはいいから ! もう、蘭子ちゃんったら ! |
Ranko: フフフ……なにも恥じることはないわ ! |
Kaede: えぇ。リーダー役として、みんなをまとめて、 スケジュールを調整して、プロデューサーさんと私たちを ステージに集中できるようにしてくれたわね。 |
Kaede: そんな仕事をしながら、一緒にレッスンをして、 さすが、真面目な美波ちゃん♪ |
Minami: なぜか、褒められているようには聞こえないんですけど……。 |
Kaede: そんなことないわよ~♪ |
Ranko: あっ……あの、美波……さん。 |
Minami: ん、なぁに? 蘭子ちゃん。 |
Ranko: その……あ、ありがとう。 |
Minami: う、うん ! どうしたの、あらたまっちゃって。 |
Ranko: その……私、いろいろと手伝ってもらって、嬉しくて…… だから、ほんとうの言葉で、伝えたかったの……。 |
Kaede: ふふっ。蘭子ちゃんは優しいのね。 |
Minami: こちらこそ、今回は一緒にお仕事できてとっても楽しかったよ。 ありがとう ! でも、どんな言葉だって、ちゃんと想いは伝わってるから ! |
Ranko: そ、そう……? |
Kaede: そうそう、美波ちゃんは言葉のことばっかり考えてますから♪ |
Ranko: そ、そうなんだ……。 |
Minami: ちょっと、楓さん ! 純粋な蘭子ちゃんに変なダジャレ混ぜて ウソ教えるのはダメですっ ! |
Kaede: うふふ。怒られちゃった♪ でも、美波ちゃんは誰より優しくて理解がありますからね。 悩みがあったら美波お姉さんに相談するといいわよ。 |
Ranko: お、お姉さん…… ! |
Minami: ふふっ。 お勉強を教えてあげるとか、そういうことなら、 もっと得意だよ♪ |
Ranko: あぁっ ! |
Kaede: どうしたの? |
Ranko: ……レッスンで忙しくて、宿題をやってないの、 思い出しちゃって。 |
Minami: ふふっ。じゃあ、このフェスが終わったら、 次は宿題を頑張りましょうね♪ |
Ranko: はぁい…… ! |
ED: 歌姫達の饗宴
歌姫達の饗宴 |
事務所 |
Ranko: 夢のような日々は一瞬で過ぎてしまったが…… 私たちの心には消えることのない思い出が刻まれたわ……。 |
Minami: ふふっ。蘭子ちゃんは詩人ね。 でも、本当に一瞬で終わっちゃった気がするね。 |
Rin: 夢中になってると、時間が過ぎるのが早いから……。 |
Riina: そうそう ! 私たち5人のセッション、最高の時間だったよ ! |
Ranko: うむ……。 蒼黒の歌姫達の饗宴、見事だったわ……。 |
Minami: 歌姫だなんて。 でも、機会があったらまた歌いたいね。 |
Rin: そうだね。 でも、いろんなユニットを組めるのも楽しいから、 これに限らず、たくさんの組み合わせで歌ってみたいね。 |
Riina: だよね ! やっぱり、私たちってアイドルだけどシンガーだから、 いろんな人とセッションしたいな~ ! |
Kaede: でも、李衣菜ちゃんは誰と組んでも 解散しないといけないんですよね。 |
Riina: え? |
Ranko: なぜゆえに……? |
Kaede: だって、李衣菜ちゃんはロックなんでしょう? |
Riina: そ、そうですね…… ロックかロックじゃないかで言うと、 超ロックですからね…… ! |
Ranko: ちょ、ち、超……。 |
Riina: ……へへっ。 |
Rin: ……はぁ。 |
Minami: で、楓さん。 李衣菜ちゃんはどうしてユニットを 解散しないといけないんですか? |
Riina: そ、そうそう ! なんでですか ! |
Kaede: だって、ロックバンドっていったら解散じゃないですか。 |
Rin: あぁ、そういうこと……。 |
Riina: え? そうなの? |
Ranko: 満ちた器は割れる運命なのか……? |
Minami: たしかに、ロックバンドっていったら、 音楽性の違いとかで、いつも解散してるイメージですね。 |
Kaede: そうそう。 だから、きっと李衣菜ちゃんも、どんなユニットを組んでも 解散してしまうんだろうなぁって思って。 |
Rin: ……李衣菜としては、どうなの? |
Riina: えっ? ! |
Ranko: 我らは、離ればなれになる運命を背負って生まれてきたのか……? |
Riina: えっと、それは……。 |
Minami: どうなの、李衣菜ちゃん。 |
Kaede: ロックな解散、しちゃうんですか? |
Riina: か、解散は……。 |
Ranko: 解散は……? |
Riina: 解散は、しま……すん ! |
Kaede: どっちやねん♪ |
Rin: ……楓さんの関西弁、初めて見た。 |
Kaede: ふふっ、和歌山は、関西圏ですからね。 私も、こんなツッコミいれたの、久しぶりですけど。 |
Riina: だってだって~、 解散するっていったらみんな悲しむかと思ったし、 でも、もともと期間限定で活動してきたわけで……。 |
Minami: そうだよね。 李衣菜ちゃんだって困るよね。 |
Kaede: 李衣菜ちゃん、困らせちゃってごめんなさい。 |
Ranko: ……たとえ遠く離れても、私たちの思いは一つ ! |
Rin: ふふっ。歌詞にあったみたいだね。 |
Kaede: じゃあ、いま私たちが見ている景色が、 ブルートパーズにあたるのかしら。 |
Ranko: ならば、この輝きは、永遠のものとなろうぞ ! |
Riina: うんうん、 なんか、結果的にいい感じにまとまったんじゃない? |
Minami: 李衣菜ちゃん次第で、 解散するかしないかが決まるみたいだったもんね。 |
Riina: それはさすがに私だけじゃ決められないからね~。 ま、ロックなのは解散する方だと思うけど ! |
Kaede: じゃあ、解散ってことですし、 前回同様、打ち上げをしましょうか ! |
Rin: …… ! |
Kaede: ほら、今回も、王様ゲー……。 |
Rin: それはなしっ ! ちゃんとした打ち上げにしよう ! ね ! |
Minami: ふふっ。今回は、お酒もおふざけもなしで、ですね ! |
Kaede: はーい♪ |
Riina: うん ! |
Ranko: ならば、ともに赴こうぞ ! 我らが楽団の、フィナーレを奏でに ! |