Still up in the Air

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Still up in the Air

本番前。居眠りしていた周子は、懐かしい夢をみる。その後、LIVE本番を無事終えた周子は共演した夕美や美嘉と街へ繰り出す。アナスタシアと拓海も加わり、一行はビリヤードを楽しむことに。やがて夜も更け、話は周子の見た夢の内容へ及び……。

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控え室

Syuko

すー……すー……。

Yumi

……周子ちゃん、居眠りしてる。本番前なのにすごいね。

Mika

……周子ちゃんってそういう子だよね。いっつもマイペースでさー。

Yumi

……たしかに、前もそうだったかも。
このマイペースさはどこから来るんだろう?

Mika

……どこだろうねー。
とりあえず、寝てる周子ちゃんはおいといて……
差し入れでおいてあったお団子でも食べる? ほら。

Yumi

……あっ、それ、気になってたんだ。
みたらしと、あんこかぁ……うーん。あっ、いやいや、ここは我慢っ。
LIVE終わったら、食べようかなっ。

Syuko

……ん……起きた。

Mika

おはよう、周子ちゃん。

Syuko

……。

Yumi

どうしたの?
まだ寝ぼけてるのかな。コーヒーでもいれる?

Mika

あー、お茶の方がいいとか?

Syuko

あー……いや、大丈夫。ありがと。
ちょっと……夢を見たんだよね。
それはそれはもう、リアルなヤツ。

Yumi

そうなんだ。どんな夢?

Syuko

んー……懐かしくて……すこし……
いや、たいしたことない夢だよ。
……さってと ! 切り替えてこかー !

Syuko

もうステージ準備できてんのかな?
テクニカルのチェック終わったらあたしらの出番だよね。
たしか。

Mika

うん。そうだよ。
プロデューサーがステージの裏にいると思う。

Syuko

あいかわらず、待ち時間長いわー。
見に行ってこよっかなー。

ステージ脇

Syuko

よっ。
プロデューサーさん、やってるかーい。

P

おはよう。

Syuko

まいどー。
んじゃ、今日もサクッとステージ魅せちゃってくるね。

Syuko

感動の舞台を貴方に……
なーんてのは、あたしらには似合わないもんね?

P

そう?

Syuko

あら、意外とそういうのもお好みな感じ?
でも、今回は肩肘張らず、気の向くままにね。
じゃ、アイドルの自由、満喫してきますわー。

Live: Ao no Ichibanboshi

LIVE後

Syuko

ふー。おつかれおつかれー。

P

お疲れ。

Yumi

いい感じだったよ、周子ちゃん。
伸びやかで、いきいきしてたもん。

Syuko

いややわー、そんなほめんといてー。
ま、ほめるのはタダだから、
ほめてもらっても全然いいけどね。

Mika

まったく、調子良いんだから。
ほんと、周子ちゃんって自由だよね。
ステージの上でもだけどさ。

Syuko

いやー、水を得た魚ならぬ、ファンを得たシューコちゃん !
その動きには定評がありますわー。

Mika

適当言ってないで、ほら撤収しよ、撤収。

Yumi

そうそう、楽屋も散らかしっぱなしだもんね。

Syuko

楽屋はきれいに使え、ね。
はいはい。やりますよーっと。

Mika

あ、プロデューサーは?

P

打ち合わせがある。
あとよろしく。

Syuko

じゃあ、あたしたちだけで先帰っちゃうね。
おつかれさーん。

Mika
Yumi

おつかれさまー。
お疲れさまでしたー。

Syuko

さて、事務所まで、お願いしまーす。

Mika

ふぁぁ……アタシ、ちょっと休憩~。

Yumi

私も、事務所に着くまで少し休もうかな?

Syuko

みんなお疲れでしょ~?
ちょっとでも休みなよ。
アイマスク貸してあげるからー。

Yumi

ふふっ、なんだか、バラエティ番組みたいだね♪

Syuko

あらためまして、出発進行~♪

街中

Syuko

いやー、着いたねー !

Yumi

着いた~……?
あれ? えっと……ここどこ?

Mika

ちょっと周子ちゃん、事務所に行くんじゃなかったの?
ここ、どこ?

Syuko

夜の繁華街でしょー。
なんか、リフレッシュしたくってさー。
そういうときは遊ぶに限るなーって。

Anastasia

こんばんは。シューコ。
これから、何が始まりますか?

Takumi

おう、集合って聞いたけど、どうした。
カチコミか。タイマンか。腕が鳴るぜ…… !

Mika

あれっ、アーニャに拓海じゃん。お疲れー。

Syuko

やーやー、みなさんよく来て下さいました♪

Takumi

あ?
なんかカチコミって空気じゃなさそうだな……?

Syuko

お姉さんたち、ちょっと遊んでこ♪
いやあ、LIVE終わってテンションも高いし
ちょっとはしゃぎたくってさー♪

Takumi

なんだよ。そのためにアタシらが呼ばれたのか?
よくわかんねぇ流れだなぁおい……。

Yumi

まぁまぁ。
集まっちゃったなら仕方ないよね。どうせだし、遊ぼうよ。
ねっ、拓海ちゃん♪ アーニャちゃん♪

Mika

周子ちゃんの気まぐれだし、仕方ないか。
まぁいいよ。アタシ、付き合うよー。
まだそんなに遅くないしね。

Takumi

……まぁ、来ちまった以上しかたねえ。遊んでくか。
なぁアーニャ ! ?

Anastasia

ダー、はい。遊びましょう。楽しみです !

Bar

Mika

じゃあ、第一回ビリヤード対決、始めるよー。
みんな、準備はいい~?
周子・アーニャチーム !

Syuko
Anastasia

よろしく~。
よろしく、です。

Mika

拓海・夕美チーム !

Takumi
Yumi

夜露士苦ゥ !
よろしくね♪

Mika

ビリヤード対決、審判はこのアタシ、
城ヶ崎美嘉でお送りしまーす。

Syuko

よろしく~♪ あ、そうだ。
普通にゲームするのも面白くないしさ、なんか賭けよっか。

Yumi

あっ、お金とかはダメだよっ。
そういうのは、ちゃんとしないと !

Anastasia

じゃあ……私、みんなのお話、聞きたいです。

Mika

あー、負けた方がなにか秘密を話すとか?
バラエティの企画あるあるだねー。

Takumi

おう、いいぜ。どうせ負けねーからな。
なんでもいいから、始めっぞ !
もうアタシはうずうずしてんだ !

Syuko

ふふっ、じゃあ、ナインボールで。
ゲームスタート♪

Anastasia

シューコ、ショットです ! ダヴァイ !

Syuko

ほいほ~い……えいやっと !
……うん、まぁこんなもんかなー。

Anastasia

おー、お上手ですね、シューコ。

Yumi

次は私の番だよっ。えいっ。あは ! ……やった♪

Takumi

意外とうめぇな……。
夕美はこういうビリヤードとか結構やんのか?

Yumi

大学のお友だちと、ちょっとだけね♪

Anastasia

……はっ !

Syuko

ちょっと力んじゃったかな~?
キューを構える姿がライフル構えてるみたいだったよ。

Anastasia

パパとハンティングに行ったときのこと、思い出しましたね……。

Syuko

あー……やっぱりほんとにそういう経験がおありで……?
次はリラックスリラックス~♪

Takumi

うぉぉぉぉぉー ! ! くらえぇぇぇーーーー ! ! !

Yumi

拓海ちゃんっ ! 力任せはダメ~っ ! !

Mika

はい、結果発表~。
勝者は……拓海・夕美チーム~ !

Syuko

あーん、ごめーん、アーニャちゃ~ん。

Anastasia

残念でしたね、シューコ。
タクミ、とってもパワフルでした。
ユミは、ていねいなプレイでした。おめでとうございます !

Takumi

へっへっへ。
勝負事はやっぱ勝たなきゃな。やったぜ夕美。

Yumi

ふふっ、やったね、拓海ちゃん♪

Syuko

敗因はチームワークの差かなー。
アーニャちゃんともっと息を合わせられたら……うーむ。

Mika

はいはい、負けは負けだよー。
じゃあ、周子・アーニャチームに罰ゲームなわけだけど……?

Yumi

あっ、私、聞きたいことがあるんだ。
周子ちゃんがさっき見てた夢の話、聞かせてほしいな。

Takumi

なんだ、おもしれー話なのか?

Anastasia

あー……どんな夢ですか?
シューコの夢、気になります。

Syuko

あ、控え室の?
んー……昔の記憶だよ。
たいした話じゃないけど、聞きたい?

Yumi

うんうん、懐かしいって言ってたから。
周子ちゃんの昔のこととか、あんまり聞いたことないし。

Anastasia

よかったら、聞かせてください。

Syuko

そっか。まぁおもしろい話じゃないけど、いいよ。
えっと、まず、ウチの実家って和菓子屋だったからさ。
早朝から釜で小豆を煮てるんだ。

Syuko

砂糖の甘い匂いと、ゆであがった小豆で餡をこねる音が
あたしの部屋にまで届いてくるんだよね。
その朝の思い出を、夢に見てたんだー。

Anastasia

……シューコの、実家の思い出、ですか。

Syuko

そーそー。
その匂いと音が、あー、落ち着くなーって思うんだ。
これがまた。夢だと分かっててもね。

Yumi

へぇ……。香りと記憶って結びつくっていうよね。

Takumi

アタシにとっちゃ排気ガスと爆音は青春の思い出だぜ。
ま、いまもだけどよ。

Yumi

ふふっ。拓海ちゃんらしいね。
でも、夢に見るなんてすごいね。

Syuko

うん。久しぶりに思い出したよ。
けど、一生その匂いと音で目覚めるのかなーって思うと、
これがまぁ、心中複雑なわけ。

Mika

ん、どうして?

Syuko

みんなさ、アイドルになる前、将来何になると思ってた?

Mika

何って……普通に学校行って、モデルやって……うーん。

Yumi

うーん……。あんまり考えてなかったかなぁ。
普通に大学を出て、就職して……くらい?

Anastasia

私、何になるか、考えていませんでしたね。

Takumi

アタシもだ。今を生きてっからな。

Syuko

……みんなそうだと思うんだよね。あたしは、
生まれてからずーっとその匂いと音で目覚めてたんだよ。
そういうものだと思ってたし、それが嫌なわけじゃなかった。

Syuko

けど、ずっとこのままなのかなーって思いもあったんだ。
自分が何者なのか、まだわからなくて、かといって、
やりたいことがあるわけでもなくてさ。

Syuko

それに、毎朝早くから働いてる親を見てるとさ。
自分もそうならないといけない気がしてた。
だけど、その場所に収まるのはまだ早いかもって気がして。

Syuko

自由はあったけど、なーんか息苦しいなーっていう感じ。
実家の記憶って、懐かしいけど甘いだけじゃないんだ。
そんな思い出が、蘇ってきたってわけ。

Syuko

ま、アイドルになったから、もはや過去の思い出なんだけどね。
……ってことで、ヤマもなければオチもない話でごめんねー。
堅っ苦しかったでしょ?

Mika

……ううん。

Yumi

周子ちゃん、なんだか……
楽しそうに話してるように見えたから。

Syuko

そう……かな?

Anastasia

……シューコ、ホームシックになったりしませんか?

Syuko

ううん。全然。
アイドル生活は楽しいし、こうして遊んでくれる人もいるからね。
みんなみたいに、優しい人たちがさ。

Takumi

へへっ。いつでも相手してやるぜ。
ま、アタシが勝つけどな !

Anastasia

シューコ……負けてはいられません !
タクミたちに勝ちましょう !

Syuko

おっ、アーニャのやる気に火がついた♪
いいぞいいぞー♪

Takumi

なんだぁ ! ?

Anastasia

次は、ダーツで勝負です !
タクミ !

Takumi

おう ! 売られた喧嘩は買うのが主義だぜ !
いいな、周子 ! 夕美 ! 美嘉 !

Mika

これは、とことん納得いくまで勝負が終わらなさそう……。

Yumi

でも、楽しそうだね。うふふっ。

Takumi

か~っ !
アーニャ、もうここらでいったん休憩にしねーか?
そんなにダーツ投げ続けたら、マイク持てなくなるぞ?

Anastasia

ふぅ……しかたないですね。

Takumi

でもまぁ、こういう風に遊ぶのも悪くねえな。
アーニャなんかも、こういうとこは
あんまり来られなかったんじゃねーか?

Anastasia

ダー。そうですね。
だから、誘ってもらえてとってもうれしかったです。
シューコ、ありがとう、ですね。

Syuko

いいのいいの。あたしが遊びたかっただけなんだから。
むしろつきあってくれてありがとね。
(……たまに寮で寂しそうにしてたから、なんて言えないなー。)

Mika

みんなー、
もう結構いい時間遊んでるよー。
みんな未成年だし、そろそろお家に帰らないとっ。

Syuko

もうそんな時間かー。
じゃ、今日はこの辺りでお開きかな……って、あかん !

Takumi

なんだ、どうした? !

Syuko

いやー、見逃せない新番組があるんだったわ。
ちょっとばかり愛くるしい子のドラマがね !
急いで帰らなきゃ。アーニャちゃん、いこかー。

Anastasia

ダー。いっしょに帰りましょう。
みんな、お疲れさまでした。

Syuko

今日は、なんだかんだ楽しかったよ。
こんなあたしにつきあってくれて、ありがとね。

Takumi

おう。いつでも相手してやるぜ。
ダーツでもビリヤードでも、次は勝つ !

Yumi

私たちも、楽しかったよ。
みんなでゲームもできたし、それに……
周子ちゃんの意外な面も知れたし……ねっ。

Syuko

へへへ。照れるわー。みんなええ人やね。
でも、また遊んでくれたら、嬉しーな。よろしゅー♪
ほんじゃ、またね♪