Saite Jewel (event)/Commus

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Preview 1[edit]

咲いてJewel

Fumika

ファンのみなさんへ、お知らせがあります。
……私、鷺沢文香が、ユニットのみなさんとともに、
ステージへ立たせていただくことになりました。

Fumika

歌うのは、アルバム・jewelries ! から『咲いてJewel』
『私だけの 歌声を染めて』

Fumika

イベントは、近日開催です。
……みなさんの心をも、染められるでしょうか。

Preview 2[edit]

咲いてJewel

Asuka

やぁ。ボクはアスカ。二宮飛鳥だ。
訳あって、フェスのステージに立つことになったんだ。

Asuka

キミたちは、舞台のボクたちを見てどう思うだろうか。
キミたちは、ボクたちの曲を聴いてどう感じるだろうか。

Asuka

新曲『咲いてJewel』でキミたちを迎えよう。
『Secret Secret My heart』
イベント、近日開催だよ。

Opening[edit]

Just A Little Bit Harder

Just A Little Bit Harder

メンバーは自分たちの経験を生かし、助け合おうと話した。周子はリーダーを決めるためにくじ引きをしようと提案。その結果……リーダーは周子に決定 !周子は、今回ばかりは逃れられないと、リーダーを引き受け、ユニット「CAERULA」が始動した。

'

事務所

Syuko enters

Syuko

おっつー。お、みんな揃ってるー。

Kanade

周子が最後よ。お疲れさま。

(Select an option)

P

お疲れ

Syuko

どーもどーも。大物は遅れてやってくるってやつ?

Asuka

この顔ぶれは……何時ぶりか……。
ボクらにとっては過去の話だが、
誰かにとっては未来の話……。

Syuko

ふ、なにたそがれてんの。

Kanade

この5人で集まるのは、久しぶりね。
アルバムレコーディングの打ち上げでいった遊園地以来?
みんな元気してた?

Arisu

私と文香さんは、ユニットで一緒でしたよ。
それはもう、クールでかっこいいと評判だったんですから。

Fumika

……ヴァルキュリア、でしたね。
評判であったのなら、喜ばしいことです。

Syuko

ふーん。
まぁ、それいうたら、うちらだってチュッチュしてたし。
ねぇ奏ちゃん?

Kanade

その表現は、いろんな方面に誤解を招くかも。
でも、また5人で集まったってことは……『咲いてJewel』かな。
お仕事ができるみたいで嬉しいね。

Asuka

……つまり、ボクだけが経験不足……とでも言いたいわけかい。

Kanade

そんなわけないでしょう。ただ……。

Fumika

……飛鳥さん。不安、ですか?

Asuka

そんなわけがないだろう。ボクだってアイドルさ。
ユニットでの仕事をしたことがないわけじゃない。
それにこれは……アドバンテージだ。

Arisu

アドバンテージ……?

Asuka

不安? 不安というのは未知に対する心理的防御行動だろう。
だがユニットでの活動を経たキミたちは経験を力に変えている、
ならばつまり不安を感じる必要など無いと証明されているわけで……。

Syuko

はいはい。
まぁ、なんかあったらみんながフォローしてくれるって。

Fumika

……微力ながら、お力添えできたらと思います。

Arisu

私たちが教えてあげますよ。ふふん。

Asuka

それはどうかな。

Arisu

教えてあげられるのは本当ですっ。

Asuka

くっ……偉そうな口を利くものだ。

Kanade

ほら、子ども同士で喧嘩しないの。

Arisu
Asuka

子どもじゃありません !
子どもではない !

Fumika

……ふふっ。
あ。あ、すみません、いまのはそういう意味ではなく……。

Kanade

ふふっ、ほら、文香にも笑われてる。もうこの話はおしまいね。

Syuko

ほんじゃー、よきところってことで、クジでも引きますかー。

Arisu

クジですか?

Asuka

何の、だい。

Syuko

それはあとでのお楽しみ~♪
この袋の中に、みんなの名前を書いた紙が入ってるってわけ。

Arisu

何に使われるか分からない物に利用されるのは、気が乗りません。

Asuka

同感だね。確率というのは、信頼できない悪魔だよ。

Syuko

あーはいはいわかったわかった。
リーダー役を決めるクジってわけ。ユニットで仕事するんでしょ?
リーダー必要じゃない?

Fumika

……リーダー、ですか。
立候補制ではないのですね。

Kanade

周子って、意外とそういうの好きよね。
じゃあ、それを文香が混ぜて、飛鳥が引くってことでいい?

Syuko

え。

Fumika

わかりました。

Asuka

かまわないよ。

Kanade

ありすちゃん、引きたかった?

Arisu

べつに……いいですけど。

Syuko

……はぁ。わかったわかった。ほい、どうぞ。

Fumika

では、混ぜます。

Asuka

この右手、悪魔の右手となるか、それとも神の右手となるか……。
いま、運命は我が手の中に……クックック。
みんなの行く末を握っていると思うと、気分が……。

Syuko

いいからはよ引かんかーい。

Asuka

……引いたよ。はい。
どれ……『しゅーこちゃん』と、書いてあるようだが?

Fumika

つまり……周子さんが、リーダーということ、ですね。

Syuko

あたしの名前、引く予定なかったんだけどなー……。

Kanade

おあいにくさま。
リーダー、本気でやるつもりなかったでしょ。

Syuko

……ふふっ、バレた?

Arisu

不正はよくありません !

Syuko

いやー、ありすちゃんか飛鳥ちゃんあたりにやってもらえたら、
面白いかと思ってたんだけど……。
これ、リハってことでもう一回やったりしない?

Kanade

諦めなさい。自由で身軽でいたいのも分かるけど。

Syuko

いやー、苦労すると老けるっていうからさー。
シューコちゃんとしては苦労はしたくないわけですよ。

Fumika

……妖狐は何年生きたとしても、変わらないものですよ。

Arisu

周子さん、狐なんですか?

Syuko

そーよ。こんこん。

Kanade

で……リーダーが決まったとして、あとはユニット名かな。
良いアイデアある? 飛鳥、どう? こういうの得意でしょう。

Asuka

フム……。

Asuka

CAERULA、というのはどうかな。みんなにふさわしい。

Syuko

ふーん。よくわかんないけど、今回だけの名前ならいいんじゃない。
いい?

Kanade

私は異存ないけど。みんなは?

Arisu

え、えぇ……。

Fumika

……ラテン語でしたでしょうか。意味は確か……青。
私も、よいと思います。

Arisu

案外、あっさりと決まるんですね……。

Syuko

こういうのは、勢いだから。
そんじゃ、CAERULA、いきますかー。

Arisu
Fumika

はいっ。
はい。

Asuka
Kanade

うん。
えぇ。

Chapter 1[edit]

きっと導かれて

周子はリーダー役を面倒に思っていた。しかし、飛鳥と文香と話すうちに気持ちが切り替わる。自分にはリーダーの役は合わないと言いつつも、「周子の本気」が見たい人のために頑張ることにした。普段とは一味違う周子に期待がかかるのだった。

'

廊下

Syuko

んー、リーダーかー。

Fumika

……どうかなさったのですか、周子さん。

Syuko

リーダー、まさか自分がやることになると思ってなくてさ。
これはまずったなーと思って。

Asuka

いいじゃないか。周子さんならできるんじゃないか。
能力が無いわけではないだろう。

Syuko

やー、できることとしたいことは違うしね。
誰だってそうでしょ。

Fumika

……私も、人前に立つのは苦手ですね。

Syuko

およそアイドルとは思えないコメントいただいたわー。

Asuka

なぜ、リーダーをいやがるんだい?

Syuko

だって、面倒じゃん。

Asuka

……ふっ。偽らないな。

Syuko

気楽でいたいしねー。

Fumika

……どうしても、リーダーのお仕事は増えますね。
メンバーに気をつかったり、プロデューサーさんとやりとりしたり、
ソレそのものは些細なことでも、負担にはなります。

Syuko

そーそー。
でも……まぁ、そろそろちゃんとやれってことだったのかなー。

Asuka

……というと?

Syuko

あたし、リーダーらしくないでしょ。合わないしさ。

Fumika

……人を引きつける力を持っていると、思いますが。

Asuka

アイドルらしさ……いや、ちがうな。
あるいは……カリスマ性、とでもいうのだろうか。

Syuko

いやいや。アイドルだって、フラっとなったようなもんだから。
レッスンやら現場やらで仕切ったりとか、キャラじゃないんだよねー。
みんなもそうでしょ。

Asuka

あぁ……理解るよ。

Fumika

えぇ。私も、同じです。

Syuko

でも、だからこそ、今回は選ばれちゃったのかなーって思って。
もう、そういう言い訳してられないっぽいじゃん。
シューコの本気が、見たい人もいるんかなーって。

Fumika

プロデューサーさん、ですか。

Syuko

とか……ファンとか? まぁ、いろいろね。

Asuka

ボクも、周子さんのリーダー役、興味あるな。

Syuko

お?
珍しいやん。他人に興味なかったんじゃなかった?

Asuka

いやぁ、素晴らしいよ、リーダー。
だから、反面教師にさせてもらおうかと思ってね。

Syuko

あははっ !
やーなやつ !

Asuka

ボクらにその責務を押しつけようとしただろう?
お互い様さ。

Syuko
Asuka

フフッ !
フフッ。

Fumika

……?
お2人とも、仲が良いのですね?

Syuko

さーて、そんじゃレッスンしにいきますか。
ダンス覚えなきゃいけないからね !

Chapter 2[edit]

力尽き果てて

ダンスレッスンで疲れ切ったありすに、飛鳥は日を改めようと提案した。だが、それを気遣いだと気付けなかったありすは焦りからムキになってしまう。見かねた周子は、大人の余裕をもって、ありすと飛鳥をなだめる。考え方の違うありすと飛鳥。2人は意地をぶつけ合いながら、磨かれていく。

'

レッスンルーム

Asuka

ふぅ……。キツいな。

Syuko

いやー、レッスンってのも真面目にやると大変だねー。
自主レッスンとはいえさー。

Asuka

ある程度、踊れるようにならないと、
トレーナーから指導も受けられないとはね。

Arisu

はぁ、はぁ……。
し、仕方ありませんよ。
トレーナーさんだって、暇なわけではありません。

Syuko

そうだよねー。

Asuka

トレーナーさんたちだって、ずっと待ってるわけじゃない。
明日にするのも手だろうな。

Arisu

でも私たち、まだ踊れるようになっていませんよ。
それなのに、帰るんですか?

Syuko

うーん。みんな、ダンスちょっと苦手かなー?

Asuka

得意ではない……というのは、苦手に当たるのかな?
あるいは、相対的なのか、絶対的なのか……。

Arisu

言葉遊びしても、上手くなるわけじゃありませんよ。

Asuka

あぁ、正論だね。
しかし、もっとインスタントに習得できたら、
みんな楽なんだが……。

Arisu

レッスンは時間をかけないといけないんです。
文香さん達はそう言ってました。

Asuka

これはまた正論だね。
ただ、余白がない。だったらボクは極論の方が好きだ。

Syuko

んー……帰りになに食べて帰ろっかなー……。
2人はー?

Asuka

あるいは周子さんのような……人を煙に巻く態度の方が、優しい。

Arisu

どういう意味ですか。よく分かりません。

Asuka

正論は正しいが、正しいものは反論を受け付けないだろう。
反論を受け付けないということは、それを言われた側は?
言葉を飲み込むしかない。

Arisu

それがいけないんですか? 正しいんだから、いいんじゃないですか?

Asuka

キミはもっと想像力を働かせた方がいい。
ミステリーを読むんだろう?
犯人の名前を探偵が言うまであたりを付けないのかい?

Arisu

どういう意味ですか !

Syuko

あー。さっきトレーナーさんはさ、言ったじゃん。
できるようになるまで、あたしらだけで自主レッスンしろって。
できるまで、レッスンしたほうがいいと思う?

Arisu

当然です !
できるまで、やるべきです !
途中で放りだすのは、怠惰な人の悪癖です !

Syuko

ふふっ、あたしは余裕だよ。ぶっちゃけちゃえば、もうざっくり踊れる。
飛鳥ちゃんは、まぁ、2~3時間ぐらいやってればできるかな?

Asuka

自己評価と他者評価は違う。
こういう場合は、他者の評価の方が正しいだろう。

Syuko

ありすちゃんはさ……べつに、悪いわけじゃないけど、
もう体力ないよね。
今日だって、昼からずっとやってるんだよ。

Syuko

時間かければできるかもしれないけど、効率は落ちるし。
だったらとっとと諦めて、明日また頑張らない?
ってのが、飛鳥ちゃんの言葉の裏にあると思ったんだけど。

Arisu

そんな…… !

Asuka

まったく、思考をトレースして読んでくる人は、苦手だ。
周子さん然り、奏さん然り……。

Syuko

でも、ありすちゃんの言葉はさ、
それを正論で打ち破ろうとしちゃったと思うんだよねー。

Arisu

そ、そんなことを考えていたんですか?

Asuka

そこまで考えていたわけではないよ。
ましてやありす、キミのためなんかじゃない。

Arisu

でも……。

Asuka

でも、その通りさ。
そう……誰もが同じラインに立っているなんて幻想は、
ボクらもプロデューサーも持っていない。そんなのはファンだけさ。

Asuka

人には向き不向きがあって、完璧なやつなんていない。
数時間のレッスンで踊れてしまう器用な人もいれば、
時間をかけてきっちりたたき込んでいく人もいる。

Asuka

まぁ、RPGなんかじゃ、
だいたいレベルが上がりやすい早熟なキャラよりも、
晩成型の方が強いんだけどね。

Syuko

そうなん?

Arisu

……まぁ、そうですね。

Syuko

よーし、2人ともあたしの屍をこえていきたまえー。

Arisu

これじゃ……私が子どもみたいじゃないですか…… !

Syuko

ふふっ、子どもやん。いうて。でも、それが悪いわけじゃないよ。

Asuka

ボクらは年齢という数字の鎖から逃れることは……できないんだ。
だから、焦る必要はない。レッスンは明日も明後日もあるんだ。
過程は過程さ。最後のステージでできれば、それでいい。

Arisu

けど……私にだって意地があります !
お2人は、どうなんですか?

Syuko

おっと?
できるまでやっちゃう?

Asuka

ボクは、できるよ。
こう見えて心の底じゃ負けず嫌いなんでね。

Arisu

じゃあ、やるしかないじゃないですか。
倒れても何でも、やるしか。

Syuko

……ふふっ、頑固やね。でも、そういうのも、嫌いじゃない。
よし。やろか。

数時間後

Asuka

ふぅ……いい汗をかいた……けど、いい手応えがあった。
ありすは……?

Arisu

わ、私……晩成型ですから……。

Syuko

んー、やっぱ晩ご飯は餃子にしよっかなー。

Chapter 3[edit]

ともに憧れて

レッスンを始めて以来、何かと対立するありすと飛鳥。だが、奏から見て、2人はよく似ていた。なぜなら、2人は同じように奏に憧れていたからだった。憧れを語る2人に、奏は憧れと理解の違いを話し、去っていく。残されたありすは、まず飛鳥を理解しようと決意する。理解の先にあるものを探して……

'

休憩室

Kanade

お疲れさま、飛鳥。ありすちゃん。
どう、2人ともうまくやってる?

Asuka

していると言えばしているし、
していないと言えば、していないかな……。

Arisu

面倒な言い回しをする人ですね、いちいち。

Asuka

ユーモアと知性が無かったら、哲学はできないよ。

Arisu

私、哲学者じゃなくてアイドルですから。

Kanade

へぇ……仲良いのね、あなたたち。

Arisu
Asuka

よくないです !
よくは、ない。

Kanade

うん、息もぴったり。

Asuka

あいにくと、ボクは、ありすより奏さんの方が興味あるな。

Arisu

奇遇ですね。そこだけは同じです。
私も奏さんの方が興味あります。

Kanade

なんなの……。
そんなに興味を持たれるような所、あったかしら……。

Asuka

自分を持っているところ、自分を出すところさ。

Kanade

あぁ……それ、今言うの?

Asuka

気に入っているんだよ。このフレーズがね。

Arisu

自分を持っているところ……。

Asuka

他人に影響されないところ、と言い換えてもいい。
ちなみに……ありすは、奏さんのどこが好きなんだい。

Arisu

大人びていて、知性的なところですね。

Asuka

それもあるか……。

Kanade

ふふっ、それ、お互いに持っているものでしょう?
飛鳥は自分を持っているし、
ありすちゃんは同い年の子と比べてもかなり知性的よ。

Kanade

結局、人って自分が欲しいモノ、
自分と似ているモノが好きなのよね。

Arisu

そうなんですか?
私は……そんなこと、考えたことありませんでした。

Kanade

でも、好きっていう感情は人の目を曇らせるの。
理解したいのなら、盲目になってはダメね。

Arisu

えっ……。

Asuka

何……だと。

Kanade

好きな人を理解したいのなら
好きになってはいけないなんて、悲しいわよね。

Kanade

あぁ、ごめんなさい。文香の所に行ってくるわね。
2人とも、頑張って。

Arisu

好きな人ほど、憧れちゃダメなんて……。

Asuka

……憧れの人がいたのか。

Arisu

奏さんも、文香さんも、美波さんも、たくさんです。
みなさん、素敵な人ですから、私もそうなりたいと思いました。

Asuka

……理解しなければ、か。

Arisu

私、もっとみなさんのことを分かりたいです。
……飛鳥さんのことも。

Asuka

へぇ?

Arisu

なぜエクステをつけているのか、
どうしてボクって呼び方をしているのか……。

Asuka

えっ……。

Arisu

格好良い服が好きなのはなぜですか?
かわいいアイドルソングがオファーできたら、どうするんですか?

Asuka

えぇ……。

Arisu

教えてください。理解するために !

Asuka

あぁ……その、なんだ……。
知らなくていいことも、世の中にはあるんだよ。

Arisu

そういうのは、知った上で判断します !
だから、教えてください !
理解した上で、飛鳥さんのいいところを好きになります !

Asuka

えぇ……。

Arisu

子ども扱いされるのがいやなのは、
飛鳥さんも同じじゃないですか?
ですよね !

Asuka

そうだけども……。
ありす……キミってやつは……困ったやつだな……。

Arisu

私も、飛鳥さんの質問には答えますから !
さぁ !

Asuka

やれやれだ……。

通路

Kanade

ふふっ。あの子たち、きっと仲良くなれるわね……♪

Chapter 4[edit]

一歩踏み出して

カフェ

Syuko

はぁーーーーーー。

Kanade

開幕早々、ため息が深すぎると思うのだけど。

Fumika

……苦労なさっているのですか、リーダーという役職に。

Syuko

ほーんとこんなめんどくさいと思わなかった……。

Kanade

ほんと面倒でしょう。でも、いいわよね。

Syuko

なーにが、いいわよね、だよー。
全然よくないよ。いちいち手間がかかるんだから。

Fumika

そんなに、面倒ですか……?
ありすちゃんも飛鳥ちゃんも、
素直で聞き分けのよい子たちかと……。

Syuko

文香ちゃん、お人好しすぎ……。
あの子ら、それはもーぶつかってばっかりなんだから。

Kanade

でも、だからこそきっといい仲間になると思わない?

Fumika

そうですね。
対等に言い合える仲というのは、得がたいもの……。
それこそ、宝石のような。

Syuko

けど、それをフォローする側はたまったもんじゃないって。

Kanade

あきらめなさい、リーダーなんだから。
これまでサボってきたつけが来たと思えば、ね?

Syuko

やだなー、あたしサボってなんかないって。
ま、リーダーとかまとめ役とか、
そういうのをうまく避けてたのはほんとだけどね。

Fumika

ならば、きっといま、周子さんも新たな経験をしているのですね。

Syuko

そうかなー。
みんなのスケジュール調整したり、レッスンルームで気を配ったり、
プロデューサーと連絡取ったり……なかなかねー。

Syuko

でも、全体を引いて見るのって、
わりと得意っていうか、慣れてるしさ。
面倒な苦労も含めて、楽しんでるよ。

Kanade

あっ、鳴ってるよ。

Syuko

あー……。
ちいさな大物達からお呼び出し。行かなきゃ。

Kanade

リーダー、頼られてるじゃない。よかったわね。ふふっ。

Fumika

……息抜きも大事にしながら、頑張ってください。
私は、なんのお力添えもできませんが、応援しています。

Syuko

そりゃどうも。ありがとさん。
お2人が全く手が掛からない子でよかったよ。

Kanade

あら、わがまま言い出すかもしれないわよ?
文香だって、いろいろこだわりが強い子なんだから。

Fumika

……私は、そのようなことは。

Syuko

ふふふ、分かってる分かってる。それじゃ、レッスンに戻りますわ。
ここ、払っとくね~♪

Syuko leaves

Fumika

さすが、リーダー……。
気づかいができる人に、憧れます。

Fumika

……。

Kanade

……。

Fumika

……。

Kanade

文香。私は沈黙とコーヒーを一緒に楽しめるタイプだけれど、
もしよかったら何を考えているか話してくれない?

Fumika

……あぁ、すみません。
考え事をしていました。その、周子さんについて。
いえ、みなさんの輝きについて。

Kanade

輝き、ね?

Fumika

えぇ。ありすちゃんや飛鳥ちゃんは互いに切磋琢磨して、
周子さんはリーダーという職務で磨かれて、
輝きを増しているように思います。

Kanade

そうね。このユニットでのお仕事を通じて、成長しているみたい。

Fumika

……私も、成長しなければ、ならないと思うのです。
そうでなければ、みなさんに顔向けできません。

Kanade

……文香って、そういうところ、あるわよね……。

Fumika

……つまり、私が、苦手な部分をどうにかしたら、よいのでは、と。
そう、考えました。

Kanade

良い考えね。それから?

Fumika

……一緒についてきていただけませんか。
息抜きだと思っていただいて、構いません。
私にとっては一大事でも、奏さんにとっては息抜き程度のことです。

Kanade

分かったわ。

Kanade

準備は出来た?

Fumika

はい。
……自分で言い出しておきながら、これでよかったのだろうかと
自問自答が止まりませんが。

Kanade

いいから、出てきて。顔を見せてよ。

Fumika

……わかりました。

Fumika

……似合って、いるでしょうか。
自分を、もっと明るく見せるなど、独りではできません。
でも、仲間が……奏さんがいれば、あるいは。

Kanade

……よく、似合ってる。
変な話、アイドルみたいよ、文香。

Fumika

それは……褒め言葉として、受け取っておきますね。
奏さん。ふふっ。

Chapter 5[edit]

心寄せあって

LIVE当日

Kanade

あっという間に、本番日になっちゃったわね。
どう? 2人とも。出来ばえは。

Arisu

完璧です。全く問題ありません。
早く披露したくて、本番の時間が楽しみです。

Fumika

私も、本番が楽しみです。
このような気分は、落ち着かないものですが……。
それもまた、よいですね。

Kanade

2人とも、自信がありそうね。
いい顔をしてるわ。
今回は私、何もしていないから……負けちゃうかも♪

Arisu

何もしていないってことはないんじゃないですか?
レッスンもたくさんしてたじゃないですか。

Kanade

そうね。
けど、困難を越えて成長したありすちゃんたちや、
自分から進んで成長しようとした文香にはかなわないわ。

Fumika

奏さん……。

Kanade

……なんて。冗談よ。いつだって、同じユニットの仲間相手でも、
私は負けるつもりなんて無いけどね。
今回は、みんな頑張ってたから。

Fumika

……たしかに、なぜか頑張らなければ、
という気持ちになっていました。
なぜでしょうか?

Kanade

ありすちゃんが頑張ってたからじゃない?

Arisu

はい?

Kanade

一番年下のあなたがあれだけ頑張ってたら、
お姉さん達は負けるわけにいかないと思うものよ。

Arisu

それは、なんというか……複雑です。

Kanade

……世の中も人生も、いつも複雑よねぇ。

Fumika

……主語が大きい話ですね。

Kanade

さて、裏に戻りましょうか。
リハも終わったし、本番前までに少し休憩しておかないと。
夜までご飯も食べられないわよ。

Arisu

それは困ります。育ち盛りですから。

Fumika

ふふ。では、いきましょう。

控え室前

Kanade

私、LIVE前のこの落ち着かない空気、好きなのよね。

Arisu

なぜですか?

Kanade

なんだか、学園祭みたいじゃない?
でも、ああいうのって普段距離を置いているから。

Arisu

はぁ……。

Fumika

すこし、分かります。
どこか遠いものとして感じていましたが、
いまは、自分のこととして感じられます。

Arisu

そういうものなんですか。

Kanade

あなたは、そうならないようにね。ありすちゃん。

Fumika

えぇ、学園祭を明るく楽しむ、そんな学生生活を送ってください。

Arisu

えぇ、あ、はい……。
なんだか重たいものを背負わされていませんか、私……。

Kanade

そんなことないって♪
ほら、ケータリングがあるわ。本番終わるまでタイミングもないし、
何か食べておきましょ。

Fumika

……そういえば、今日はなにも食べていませんでしたね。

Arisu

いけません ! ちゃんと食べましょう !
私、適当に取ってきますから、待っててください !

Kanade

……かわいいわね。ありすちゃん。
私も、あんな素直な子どもだったらもっと好かれたかしら?

Fumika

……どのような子でも。

Kanade

ん?

Fumika

どのような子であっても、奏さんは奏さんですから。
きっと、好かれていたと思いますよ。
少なくとも、私はそう思います。

Kanade

……あなたって、ときたましらふと思えない言葉を吐くわね。

Fumika

……そう、でしたか。

Kanade

……まったく。

Arisu

あの、ハンバーグとエビフライがあるんです。
2人はどっちが好き……。

Kanade
Fumika

……。
……。

Arisu

こ、この一瞬で、なんで変な空気になってるんですか……?
はっ ! 喧嘩したんですか…… ! ?
仲良くしてください ! 本番前ですよ ! むしろ団結しないと !

Kanade
Fumika

違うって。誤解よ。
ち、違いますよ。

Arisu

わ、私、周子さんを呼んできますから !
それ以上何か言い合ったらダメですよ !
ダメですからね !

Ending[edit]

Jewel in Our Heart

LIVE終了後

Syuko

いやー、終わっちゃったねー。

Asuka

花火は、いつだって一瞬で火花を散らして消えるものさ。

Syuko

おーおー、風流ですなぁ。

Fumika

でも、その輝きは、
見た人の心の中で、永遠に消えない光になります。

Arisu

そうですね。間違いありません。

Kanade

このユニットも、これで活動が終わるわけだけど……。
歌は残り続けるものね。

Asuka

アイドルは、偶像だ。
偶像というのは、いつか忘れ去られるものと決まっている。
でも、歌は文化だ。だから残り続ける。

Kanade

そう、輝きながら残り続けるのね。

Fumika

Jewelの……宝石のように、ですね。

Arisu

キラキラしていて、素敵な思い出です。
それに……私もそういうものを生み出す側になれて、
いま本当に幸せです。

Asuka

憧れていたんだね。ありす。
それもまた、あのステージを経てしまったら、納得というものだ。

Arisu

歌には、力がありますからね。

Syuko

……ほっといたらこのポエム合戦、ずっと続きそうやなー。

Kanade

というわけで、この美しいステージのフィナーレ、
リーダーを務めてくれた周子"ちゃん"が
感動の挨拶で締めくくるって。

Syuko

え?

Fumika

周子さん。お願いします。

Asuka
Arisu

あぁ。
はいっ。

Syuko

えーと……参ったな。こういうの、一番苦手なんだけど。
なに喋ろっかなー?

Kanade

リーダー役を演じてよ。アイドルでしょcう?

Syuko

まったく……仕方ないね。
えーと、まずはみんな、ステージ成功、おめでと。

Fumika

おめでとうございます。

Syuko

みんな頑張ってたよね。
レッスンも、なんだかんだやってたし。
ていうか、真面目だよねみんな。よくやってた。

Asuka
Arisu

うん。うん。
うん。うん。

Syuko

あと、プロデューサーさん、ありがと。
見守って、口出ししないでくれたおかげで、
主に飛鳥ありすのAAコンビが成長しましたー。やったね。

(Select an option)

P

うなずく

Arisu

まったく……どういう意味なんでしょうか。

Asuka

皮肉以外の何物でもないようだが。フフッ。

Syuko

実際、あたしらも2人の成長に引っ張られたしさ。
それってユニットにとってすごく価値があったと思うわけよ。

Fumika

そうですね。得がたい経験をしたのではないかと思います。

Syuko

あの暗かった文香ちゃんも、
なんとなく肌の色が良くなったような気がするし?

Kanade

どんな褒め言葉よ?

Syuko

奏ちゃんにいたっては、リーダー役をやらなくて良くなったおかげで
のびのびできました、と。

Kanade

ふふっ、それは否定しない♪

Syuko

それぞれが初めましてだったアルバムレコーディングから考えたら、
このイベントで、だいぶ仲良くなったと思うんだよね。
アイドルとしてのお互いを、理解できたっていうか、さ。

Arisu

そうですね。
アイドルとして、理解し合えました。

Asuka

あぁ。よく理解できた。

Syuko

あたしも成長できたっていうか、させられたしさ。
つまりイベントって、それが目的だったんじゃないかなーって、
今でこそ思うんだよね。なんか、そういうのあるじゃん、奏ちゃん?

Kanade

よくある映画のストーリーね。
宝を目指して旅立ったけど、
仲間との絆が手に入りましたってやつかしら。

Syuko

そーそー。

Fumika

物語論で言うところの、宝とはすなわち財宝ではない……。
というものでしょうか。

Fumika

手に入れたのは、それぞれなりの成長……。

Asuka

それって、つまり自己満足だろう。

Syuko

だねー。壮大な自己満足だったかもしれないけどさ。
ファンもプロデューサーさんも喜んでたら、
オールOKって感じじゃない?

Arisu

いいと思います。とても、楽しかったですから。
少しだけ、主義の違いで争いはしましたけど。

Asuka

それもふまえて、いいイベントだったよ。

Syuko

つまり、いいイベントでしたーってことで。
えーと、奏ちゃん、こういうとき最後のいい感じな一言って
なに言ったらいいの? ちょっと困ってるんだけど?

Kanade

お好きにどうぞ♪

Syuko

えー、じゃあ……お疲れさまでしたー !
よく分かんないので終わりー !

Asuka
Arisu

フム……お疲れさま、かな。
えっ、あっ、お疲れさまでした !

Kanade

まぁ、ここは次の課題ね。お疲れさま。

Fumika

お疲れさまでした。周子さん。

Syuko

はー。終わったー。……あ。
打ち上げは、後日、あらためてプロデューサーが
遊園地に連れてってくれるってことで ! 以上 !

Asuka
Arisu

……悪くない。
やった !

Kanade
Fumika

ふふっ。
楽しみです。

Syuko

疲れたー。もう2度とリーダーなんか、やらないからねー。
でも……ま、楽しかったけど♪