LIVE Parade (September 2017)/Commus

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Opening[edit]

Song & Film of Love

恋愛時代劇の出演依頼を受けた珠美、あやめ、歌鈴。
興奮する3人だが、続いてPに告げられたフェス出演の
報せに驚く。さらに歌うのが『キミのそばでずっと』
であると知り緊張する3人だったが、その曲を歌った
本人である卯月の励ましを受け、時代劇もフェスも
絶対に成功させてみせると心に誓うのだった。

'

Tamami

おぉーっ……来ました !
とうとう来てしまいましたよ ! 撮影所に !
くぅ~、珠美感激ですっ !

Tamami

プロデューサー殿、早く中を見て回りましょう !
ほら、歌鈴殿とあやめ殿は、もう楽しんでいますよ !

Karin

……あやめちゃんっ?
もしかして、隠れ身の術、ですか?

Ayame

歌鈴殿に見ぬかれたっ ! ? なんたる失態……。
かくなる上は、煙玉でドロンして雲隠れっ !

Karin

け、煙はダメですよっ ! 騒ぎになっちゃいますっ !

Tamami

あはは……本当に楽しそうで。
さぁさぁ、行きましょうプロデューサー殿 !
いざ、時代村っ !

時代村

Karin

はぁ~……いよいよ明日から撮影ですねっ。緊張しますっ !
セリフ、噛まにゃいよう……あう、さっそく噛んじゃった…… !

Ayame

今日までたくさん読み合わせをしたじゃないですか !
きっと本番は大丈夫ですよっ ! ねっ、珠美殿 !

Tamami

はいっ ! 歌鈴殿はお芝居なら、あまり噛みませんからねっ !
それにお芝居への不安は、珠美も一緒ですから。

Tamami

いや~、あの日、プロデューサー殿からお話を聞いた時は
どうなることか不安だったものですが……。

数日前

P

みんな、時代劇への出演が決まったよ !

Karin
Ayame
Tamami

時代劇っ ! ?
時代劇っ ! ?
時代劇っ ! ?

Ayame

なんと……憧れに憧れ続けた念願の時代劇っ…… !
忍ドル浜口あやめ、感無量ですっ !

Tamami

そっ、それで内容はどんなものですか ! ?
女剣士が大活躍するお話だと、珠美は大感激ですけどっ !

そして内容は……
恋愛ドラマだ !

Karin

ええぇぇぇっ ! ? れ、恋愛ドラマですかっ ! ?
時代劇で恋愛モノだなんて、すごく意外ですっ。意外すぎです !

Ayame

あっ。で、でもわたくしたちが恋愛モノをしてよいのでしょうかっ?
どちらかというと、バラエティ向きのメンバーかと……。

当て書きだから、
演じやすくはあるよ

Karin

当て書きっていうと、私たちに合わせて
脚本を書いてくれたってことですよね?
すごいですっ、そこまでしていただけるなんて !

Ayame

役が演じやすいのはありがたいですが、
逆に、れ、恋愛劇は演じ辛くなってしまうような……。

頑張ろう ! あと、
フェス出演も決定 !

Tamami

今、サラッとすごいこと言いましたよねっ ! ?
ええと、この3人でフェスですか ! 楽曲は何を?

キミのそばでずっと

Karin

『キミのそばでずっと』って……『キミのそばでずっと』ですかっ ! ?
卯月ちゃんたち、5人のために作られた曲ですよね……。

Uzuki

はい、その『キミのそばでずっと』ですよ。

Tamami

わっ ! ? う、卯月殿……いつからそこにっ ! ?

Uzuki

ついさっきです。プロデューサーさんに用事があったんですけど、
お話し中みたいだったので、後ろで待ってましたっ。
でも、私の名前が出たのでつい……えへへ♪

Karin

あの~……もしかして卯月ちゃん、私たちが歌うの知ってました?

Uzuki

はい、プロデューサーさんから聞いていましたから。
3人の歌、楽しみにしていますね !

Ayame

ご期待に添うのが忍者の務め……。
しかし、卯月殿たちが作り上げた楽曲に挑戦するとは、
ずいぶんとプレッシャーが……。

Uzuki

そんなに緊張しないでくださいっ !
3人らしく歌うのが一番ですから、
私たちのことは意識しなくていいと思いますっ。

Tamami

そう言っていただけると……ありがとうございます、卯月殿 !
フェスでのパフォーマンスに、恋愛モノの時代劇への出演、
どちらも成功させてみせましょうっ。

Uzuki

わ~♪ 時代劇で恋愛モノですかっ。
そっちも楽しみにしていますから、頑張ってくださいねっ !

Karin

卯月ちゃんたちが歌った『キミのそばでずっと』、
すっごくいい曲ですよね……。

Tamami

ええ。胸にジ~ンとくるラブソングです。
……だからこそ、難しくもあるわけですが。

Ayame

ラブソングというだけでなく、
わたくしたちの曲でもないわけですからね……。
プレッシャーを感じずにはいられません……。

Karin

でも、歌った本人の卯月ちゃんに、あんな笑顔で励まされちゃったら……
なんかもう、やるしかないって感じですよねっ !

Tamami

そうですね。慣れないことに戸惑いはありますけど、
武士は引き受けた仕事から逃げ出したりはしません !

Ayame

与えられた仕事があり、楽しみに待ってくれている人がいる……。
忍ドルとしての使命を果たす時ですっ !

Ayame

恋愛時代劇も、『キミのそばでずっと』も、
わたくしたち3人で、絶対に成功させてみせましょう !
それでは、せーの……。

Karin
Ayame
Tamami

えいえいおーっ !
えいえいおーっ !
えいえいおーっ !

Chapter 1[edit]

忘れえぬ出会い

ついに始まった時代劇の撮影に臨む、あやめ、珠美、
歌鈴。休憩中、侍役を務める涼と談笑していると
3人が歌う『キミのそばでずっと』の話題に。上手く
歌えるか不安だと打ち明けるあやめに、涼は恋愛を
テーマにしたこの時代劇を演じる中で、掴めるものが
あるかもしれないとアドバイスを送るのだった。

'

町中

Ayame

今日も見守っていて下さい、天国のお父さん、お母さん。
……よしっ。それでは元気にお薬売ってきます !

町人

おはよう、あやめちゃん。これから薬売りの行商かい?
最近は柄が悪い奴がいるから、気をつけるんだよ。

Ayame

はいっ、行ってきま~す !

Ayame

歌鈴ちゃん、こんにちは。
今日も茶屋の看板娘が板についてますねっ !

Karin

いらっしゃい、あやめちゃん !
……って、もう。看板娘なんかじゃないですってばっ !

Ayame

うふふっ。失礼しました !
ええと、お茶とおだんごをお願いしますっ。

Karin

はーい ! すぐに持ってきますねっ。

Ayame

あっ、そうだ。歌鈴ちゃん。
この後、珠美ちゃんの家に行くんですが、一緒にどうですか?

Karin

ぜひっ ! 珠美ちゃんにお届け物を持っていく予定でしたからっ。
……はいっ、お茶とおだんご、お待たせしました !

Ayame

いただきますっ ! ぱくっ……んん~♪
今日も歌鈴ちゃん家のおだんごは絶品です !

道場

Tamami

……ふぅ。ぞうきんがけはこんなところですかな !

Karin

珠美ちゃん、お疲れさまです !

Tamami

おお ! おふたりとも、こんにちは !
いかがしましたか?

Ayame

お届けものの薬をお持ちしました !

Karin

それから、差し入れのおだんごですっ !

Tamami

わざわざありがとうございます !
今、稽古が終わって掃除していたところですから、
少し待っていてください。

Karin

珠美ちゃんは偉いですね。師範代の娘とはいえ、
男の人たちに交じって剣術の稽古をしているんですから。

Tamami

ははっ、好きでやっているだけですよ。
父上に頼み込んで、なんとか稽古をつけてもらってるのに、
なかなか強くなれませんし。

Ayame

でも、やっぱり偉いです !
剣術に対してすごく一生懸命なところ、尊敬します !
わたくしも何か、これというものに出会えたら……。

町中

Ayame

は~、今日もよく働きました !
さて、お夕飯はどうしようかな~……きゃっ ! ?

Ayame

あいたたたた……。はっ ! す、すいません。

男A

どこ見て歩いてんだ? 痛ぇじゃねぇかよ、こら。あぁん?

男B

まぁ、待てよ。ぶつかったことは許してやるから、
俺たちにちょいとつき合いな。
悪いようにはしねぇさ。俺たちは優しいからな……へへっ !

Ayame

い、嫌っ ! 離して……離してくださいっ !

男A

はんっ ! そんなに叫んだって、みーんな見て見ぬふりだよ。
わざわざあんたを助ける馬鹿なんぞどこにも――。

???

その馬鹿なら、ここにいるぞ。

男B

なんだお前ぇは? 怪我したくなけりゃ引っこんでな。

???

それはこちらの言葉……今すぐ尻尾を巻いて逃げるのなら、
見逃してやる。

男A

強がってんじゃねぇぞ ! おらぁっ !
なにっ ! ? ごふっ…… ! ?

???

……峰打ちだ。

男B

ふ、ふざけんじゃねぇーっ ! うぉぉぉっ !
くっ……げふっ…… ! ?

???

やれやれ……治安が良いはずの城下で、
このような輩がいるとは世も末だ。
そこの人、大丈夫でしたか?

Ayame

…………。
あっ……は、はいっ ! だ、大丈夫ですっ !
助けていただいて、ありがとうございましたっ !

???

……ご無事でなにより。
お天道様が見ているとはいえ、女子のひとり歩きは危ない。
今後は用心して歩いてください。では、拙者はこれで……。

Ayame

はい……あ、あの、本当にありがとうございました !
もう行ってしまわれた……。

Ayame

……あのお侍さま、どことなくお父さんに似た面影が……。

撮影 休憩中

Tamami

あやめ殿を助けた侍は、正に侍の中の侍 !
言葉で語るのではなく、刀と背中で語る……カッコイイです !

Karin

本当にカッコよかったですよ、涼さん !
お侍さんの恰好もよくお似合いです !

Ryo

アハハッ、サンキューな。
まさかアタシが侍になるなんて思わなかったけど……
やってみると、案外楽しいもんだな。

Ryo

そういえば、フェスにも出るって聞いたぜ。
『キミのそばでずっと』を歌うんだよな。

Ayame

はい……わたくしたちの持ち歌ではないし、
ラブソングだしで、上手に歌えるのかが心配で……。

Ryo

心配、ね……。
その心配を全くしてないのが、ここにはいるみたいだけどな。

はい。
心配はしていません

Ryo

ま、お節介かもしれないけど、これはアタシからのアドバイスだ。
今やってる時代劇は恋愛モノで、歌はラブソング……
役を演じていれば、なにか掴めるかもしれないぜ。

Ryo

持ち歌じゃないのは、歌った人をリスペクトしながらも、
吹っ切るしかないかな。

Tamami

おぉっ、なるほど ! さすが、涼殿 !
時代劇で演じた侍のように頼もしいお言葉ですっ !

Karin

役を演じながら歌を理解していく……。
そうですね。そうすれば『キミのそばでずっと』を
自信をもって歌えるようになるかもしれません !

Chapter 2[edit]

巡り逢いて貴方

ドラマの台詞と歌詞を覚えると、言葉の意味を深く
理解できる気がすると語るあやめに、歌鈴は作中の
涼一郎とあやめの出会いのシーンと歌詞の繋がりを
指摘する。ふたりの会話を聞いた珠美は、以前涼に
言われた通り、このドラマの役を通じ歌詞の意味を
理解していくことができそうだと頷くのであった。

'

町中

Ayame

はぁ……………………お侍さま……………………。

Karin

また、あの助けてくれたお侍さんのことを考えているんですか?
気持ちはわかりますけど、いつ来るかは……あっ。

???

邪魔をするよ。

Ayame

あ……あぁ……。

Karin

あっ、いらっしゃいませ、松永さん ! お久しぶりですっ !
おだんごとお茶、すぐに用意しますからねっ。

???

うむ、よろしくお願いする。

Ayame

あ……あの……。

???

ん? あ……貴方は……。先日お会いした人、ですよね?

Ayame

は、はい、そうですっ !
あの時のお礼をどうしても言いたかったので、
ここで待っていたんです !

Karin

やっぱり松永さんが、あやめちゃんを助けてくれた人だったんですね。
話をきいて、そうじゃないかって思ってたんですっ。

Karin

松永さんにもう一度会いたいって言って、
この茶屋に通い詰めていたんですよ、あやめちゃん♪

Ayame

か、歌鈴ちゃんっ…… !
そ、そのことは内密にと……。

Karin

うふふっ、ごめんね ! ……あっ、そうだ。
松永さん、よかったらここ、相席をお願いしてもいいですか?

涼一郎

えぇ、構いませんよ。では、失礼します。
そういえば、まだ名乗っていませんでしたね。
拙者は、松永涼一郎と申します。

Ayame

わ、わたくし、あやめです !
……改めてになりますが、先日は助けていただいて、
本当にありがとうございました !

涼一郎

偶然通りがかっただけのこと。
お礼を言われるほどのことではありませんよ。
それに……………………。

Ayame

あ、あの……どうかしましたか?

涼一郎

いえ……失礼しました。
貴方があまりにも、拙者の……知人に似ていたもので。

Ayame

そうなんですか?

涼一郎

ええ。昔、拙者がお世話になった人で……。
お恥ずかしい話、拙者の初恋の人でした。

Ayame

はっ、初恋っ ! ?

涼一郎

あはは、子どもの頃の話です。
……ああ、失礼しました。誰かに似ていることを
不快に思う人もいるというのに。

Ayame

い、いえっ、わたくしは気にしていません…… !
どちらかというと、はつ、はつ……。

Karin

おだんご、お待たせしましたーっ !

Ayame

はーーーっ !

Karin

ど、どっ、どうしたんですか?
なんだか楽しそうですねっ !

Ayame

なんでもないですよっ !

涼一郎

はっはっは。会ったばかりだという気がしなくて、
とても話しやすい人ですよ、あやめ殿は。

Karin

松永さんとそんなすぐに親しく話せるなんて、
あやめちゃんが羨ましいです !
私なんて、なかなかお話できなかったんですから。

涼一郎

拙者は距離を縮めるのが苦手ゆえ……その節は失礼しました。

Karin

いえいえ !
それで、ふたりは何の話をしてたんですか?

Ayame

なんの……あ~えっと、うーんと、そう !
松永さまに、助けていただいたので、
ちゃんとしたお礼がしたいと思っておりましたっ !

涼一郎

ですから、お礼などいいのですよ。
当然のことをしたまでで……。

Ayame

そんなことをおっしゃらずっ !

Karin

松永さん、あやめちゃんはこうと決めたらこう !
言い出したらきかないんですから。
人助けと思って、何かお願いをしてあげてください。

涼一郎

ふむ……。
……それならば、握り飯を。

Ayame

握り飯?

涼一郎

はい。剣術の稽古が終わった後は腹が減ってしまうんです。
だから握り飯を、稽古の後に持ってきてもらえませんか?

Ayame

そんなことで良いのでしたら、よろこんで !
えっと、どちらで稽古を?

Karin

珠美ちゃんのお父様の道場ですよねっ。
私、たまにお見かけします !

Ayame

なんとっ ! 世間は狭い……。それでしたらお任せ下さいっ !
しかと握ってみせましょう ! 飯をっ !

涼一郎

あっはっはっは ! いや、あやめ殿は面白いお人だ。
楽しみにしておりますよ。

Karin

あやめちゃん、差し入れはいいけど、気をつけてね。
意外と力が強いんだから、握り過ぎちゃ駄目ですよっ !

Ayame

か、歌鈴ちゃんっ……それは言わない約束ですよ~っ。

撮影 休憩中

Tamami

お疲れ様です、あやめ殿、歌鈴殿 !
いや~楽しい展開になってきましたな、
涼一郎殿とあやめ殿のラブストーリー !

Ayame

お疲れさまです ! いやぁ~……なんとも、気恥ずかしい……。
かえって自分の名前の役と言うのは……
なんともにんとも……照れますっ !

Karin

うふふっ、自分じゃない自分になったみたいで
ドキドキしちゃいますよねっ。

Tamami

でも、大変ですね、ドラマの台詞を覚えながら、
フェスの歌詞を覚えるというのも。

Ayame

はい。ですが、台詞と歌詞を覚えると、
言葉の意味をそれまで以上に理解できる気がします !

Tamami

ええ。珠美は、不思議な繋がりを感じる時があります。
時代劇の内容と『キミのそばでずっと』の関係に。

Karin

それ、わかりますっ !
『キミのそばでずっと』に『巡り会えたその瞬間景色が変わった』
っていう部分があるじゃないですか?

Karin

それってまさしく、あやめちゃんと松永さんが出会ったシーン
そのものって感じがしますよねっ !

Ayame

わたくしも同じことを思ってました !
松永さまに出会った瞬間、あやめが見ている景色は一変した……。
あの瞬間が、あやめにとって恋の始まりだったんですよ !

Karin

松永さんが、あやめちゃんの友達ふたりと実は知り合いだって
いうところにも、ものすごい運命を感じますっ。

Tamami

歌詞にも『運命』という言葉が出てきますし、涼殿に言われた通り、
役を通じて『キミのそばでずっと』を理解していくことが
できそうですねっ !

Chapter 3[edit]

月夜の約束

レッスンルームにて、収録したばかりのドラマの内容
を思い出すあやめ、歌鈴、珠美。『涼一郎』という
侍の切ない過去に心ときめかせる3人に、Pは時代劇と
歌の世界が繋がったかと尋ねると、芝居を通して
恋にドキドキする気持ちがわかってきたと語り、
その成果をレッスンで披露するのだった。

'

道場

Ayame

お、おじゃましま~す……。

Tamami

あやめちゃん、こんにちは !
ふふっ、そんな強張った顔をして……色々台無しですぞ !

Ayame

珠美ちゃん、イジワルを言わないで下さいっ !

Tamami

失礼失礼っ !
お探しの松永殿でしたら、あそこですよ !

涼一郎

ふっ ! はっ ! はあぁぁっ…… ! !

Ayame

……………………。

Tamami

素晴らしい太刀筋ですよね。見惚れるのもわかります !
……あ、休憩みたいですね。よーし……松永殿ー !

涼一郎

珠美殿、拙者になにか……あやめ殿。
来てくださったのですね。

Ayame

は、はい !
あの、これ……お約束してた握り飯です !

涼一郎

かたじけない、あやめ殿。
稽古の後にいただきます。……む、この量は……?

Ayame

あっ。たくさん食べていただきたいと無心で握っていたら
気付けばこの通りでっ !

涼一郎

……はっはっは ! それではこれを平らげられるよう、
稽古に励まないといけないですね。

Ayame

す、すいません……。

Tamami

さすが、あやめちゃん。思い込んだら一直線 !
そしてお礼の約束を果たすとは義理堅い !
……松永殿とは大違いですな !

涼一郎

珠美殿……子どものようにすねていないで下さい。

Tamami

こ、子どもって言うなー !
だってだって、今度、珠美と手合せをしてくれると
約束したではないですか !

Tamami

前に言ったらまた今度、その前もまた今度、前の前の前も
また今度って……その今度はいつなんですかっ ! ?

涼一郎

そうですね。手合せするのは……また今度です。
珠美殿がもっと鋭い素振りができるようになったら、
その時は手合せをしましょう。

Tamami

むぅー ! はぁ……今日も断られました……。
ならせめて、稽古を見てくださいっ !

涼一郎

それでしたら構いませんよ。

Tamami

ありがとうございます、松永殿 ! では早速……
っと、庭掃除をするように言われてたんでしたっ !

Tamami

残念ですが、稽古はまた今度 !
あやめちゃんはゆっくりしていってくださいね ! それでは !

Ayame

ゆっくりしていってと言われても……。
稽古の邪魔になるでしょうから、わたくしはそろそろ帰りますね。

涼一郎

あ、少しお待ちを。
実はあやめ殿にご相談があるのです。

Ayame

松永さまがわたくしに、ですか?
は、はい。わたくしでお力になれるのでしたら。

涼一郎

感謝します、あやめ殿。
実は義姉に子が生まれまして、祝いの品を渡したいのです。
ただ、なにを渡したら喜ぶのかわからず、困っていまして……。

Ayame

お姉さまにお子が ! それは、おめでとうございます !
そのお祝いの品、喜ばれるもの、ですよね……。

Ayame

……あの、松永さま。よかったらなのですが……。

町中

涼一郎

ありがとうございました、あやめ殿。
いっしょに選んでいただいて。おかげでよい品を義姉に贈れます。

Ayame

松永さまのお力になれたようでなによりです。
それに、松永さまとのお買いもの、とても楽しかったです !

涼一郎

それは、拙者も同じです、あやめ殿……。
しかし、すみません。このような時間まで連れ回してしまい……。

Ayame

大丈夫です ! 薬の行商で慣れっこですから。
それに、松永さまのお姉さまに喜んでいただきたくって、
わたくしもすっかり悩んでしまいました。

涼一郎

重ねて感謝を申します。
良ければ、このお礼を何か……。

Ayame

うふふっ、それではお礼が終わりません !
……では松永さま。またこうして、お会いできますか?

涼一郎

もちろん、会えますとも。
あやめ殿がそう思って下さるのであれば、いくらでも。

Ayame

ま、松永さま……。

数日後

Karin

聞きました、珠美ちゃん?
あやめちゃんと松永さん、この前いっしょにお買い物に
行ってきたそうですよ。

Tamami

はい。それだけではなく、昨日もあやめちゃんが
道場に差し入れを持ってきていましたよ。
……とても良い雰囲気で。

Ayame

松永さま。
また明日も、握り飯をお持ちしてもよろしいでしょうか?

涼一郎

ありがたい申し出です。あやめ殿の握り飯は、
いつも拙者に力を与えてくれるものですので。

Ayame

松永さま……そのようなことを言われてしまうと、
ごはんを握るのに、力が入り過ぎてしまいます……。

Karin

その場にふたりしかいないような会話ですね…… !

Tamami

ほほえましいというか、なんというか、複雑ですっ !

レッスンルーム

Ayame

松永さま……カッコイイ……。
涼殿の演技なのはわかっているのに、もうドキドキですよっ !

Karin

松永涼一郎というお侍さんから、にじみ出る哀愁がすごいですよね。

Tamami

幼い頃に両親が亡くなり、父の友人が松永さんを引き取る……。
そして10歳も歳の離れた義姉に恋心を抱くも、
養子という立場もあり、その想いを伝えることはなかった……。

Karin

はぁ~、切なくも素敵な思い出話ですね。

時代劇と歌の世界、
繋がってきた?

Ayame

少しずつですが……恋というものの素敵さがわかってきたような。
お芝居だとしても、胸がドキドキします……。

Tamami

珠美も同じ気持ちです !
『キミのそばでずっと』を歌う時は、このドキドキを感じながら
歌えばいいんですよ、きっと !

Karin

そうですねっ !
でも、歌だけじゃなくって、ダンスにも想いを込めて、
恋にドキドキするって気持ちを表現しましょう !

Ayame

見ててくださいね、プロデューサー殿 !
時代劇で学んだこと、まずはレッスンでご披露しますから !

Chapter 4[edit]

別離の理由

ドラマもいよいよ終盤に迫り、胸が苦しくなるような
切ない想いも恋であるということを学んだ歌鈴、
珠美、あやめの3人は、恋のドキドキだけではなく、
『キミのそばでずっと』の歌詞に込められた切なさも
伝えていこうと心に刻むのだった。

'

町中

Ayame

はぁ……。

Tamami

どうしたんですか、あやめちゃん?
そんなに大きなため息を吐くなんて、らしくないですよ。

Ayame

あの……最近、松永さまにお会いできていなくて。

Karin

え、そうなんですかっ?
うちの茶屋にも顔を出してくれていなくて。

Tamami

え、ふたりもですか?

Ayame

ということは、珠美ちゃんも?

Tamami

はい……。
稽古があるはずなのに、道場に来ないんです。
父上はなにか知っているみたいなんですが……。

Karin

話してくれない、とか?

Tamami

そうなんです。
松永殿が理由もなく稽古を休むはずがないから、
なにかあるんだとは思うんですけど……。

Ayame

どうしたんでしょうか、松永さま……。

涼一郎

拙者がどうかしましたか?

Ayame

ま、松永さまっ ! ?

Tamami

い、今までどうしていたんですかっ ! ?

涼一郎

いろいろとありまして……ご心配をおかけしました。

Karin

いえっ、ご無事でなによりです !
いったいなにがあったんですか?

涼一郎

実は今日は、挨拶に来たのです。
拙者……幕府からの命を受け、江戸を離れることとなりました。

Ayame

江戸を、離れる……?

涼一郎

はい。調査のために土佐へと行くのですが……
短くて数年……いえ、もしかしたら
もうここへ戻ってくることはないかもしれません。

Ayame

そんな……。

Tamami

ど、どうして急にそんな……。
その命を断ることはできないんですかっ?

涼一郎

幕府の命は絶対。逆らうことなど許されません。
それにこの命は、拙者にとっては悪い話ではありませんので。

Karin

……残念です。
松永さんにもう会えなくなってしまうなんて。

涼一郎

拙者もです。この茶屋のだんご、絶品でした。
もう食べられなくなるのかと思うと、寂しいかぎりです。

Tamami

……稽古は?
私の稽古を見てくれる約束、してくれたじゃないですかっ ! ?

涼一郎

申し訳ない、珠美殿。約束を反故にしてしまって。

Tamami

そんなの……そんなの嫌ですっ ! !

Karin

あ、珠美ちゃんっ ! 待ってください、珠美ちゃんっ…… !

Ayame

……………………。

涼一郎

あやめ殿……。

Ayame

わたくしも、残念です……。
……もう少し、松永さまと……。

涼一郎

…………。

Ayame

いえ、何でもありません。
どうか、お元気でいてください、松永さま……。
それでは、わたくしもこれで……。

涼一郎

待ってくださいっ !

Ayame

ま、松永さま……。どうか、手をお離しください……。
わたくしは……笑顔であなたを見送ることなど、
とてもできそうにありません……。ですから、どうか手を……。

Ayame

別れを知り、この胸が痛くてしょうがないのです……。
失礼します、松永さまっ !

涼一郎

あやめ殿……。

休憩中

Karin

恋をしても、ハッピーエンドになるとは限らないですよね……。
胸が締め付けられるような切ない想いをするのも恋、
なんですね……。

Tamami

恋をするのも、ラブソングを歌うのも簡単じゃありませんね。
別れや切ないという気持ちは、
身を切られるように辛いものですから……。

Ayame

『キミのそばでずっと』にも、切ないって気持ちはあるのに、
ドキドキするという想いばかりを見てしまっていました……。

良い学びになったね

Karin

はい、プロデューサーさんっ。全て良い勉強になってます。
恋のドキドキだけでなく、切なさも伝えていきますねっ !

Chapter 5[edit]

決意の出立

ついにドラマがクランクアップ。撮影の思い出を
語るあやめ、珠美、歌鈴の3人だが、彼女たちの
お仕事はこれからが本番。町娘からアイドルに戻り、
次に待ち受けるのはフェスという大舞台。時代劇を
通して学んだ恋する気持ちを歌に込めて、3人は
最後の舞台へと臨むのだった。

'

町中

Ayame

はぁ、今日……今日なんですよねぇ……。
松永さまのご出立……はぁぁ……。

Karin

あぁ、もうっ ! 店先でため息つかないでください !
お客さんが逃げちゃうじゃないですかっ !

Tamami

というかですね、あやめちゃん……
隣でそんなに、うじうじうじうじされてると、
こっちまで落ち込んできちゃいますっ !

Ayame

うぅ……ふたりともごめんなさい。
そんなに怒らないでください……。はぁ……。

Karin

怒ってるんじゃありません。
今のあやめちゃんを見ていると、叱りたくなっちゃうだけです。

Ayame

それ、結局怒ってるってことですよねっ ! ?

Karin

あやめちゃん、いつもはきっぱりはっきりしているのに、
松永さんの話を聞いてから、全然らしくないんですから !

Tamami

自分の気持ちには、素直であるべきですよ。
だって……もう二度と会えなくなるかもしれないんですから。

Ayame

……それはわかってます。
わかってるけど……それでも、怖いんです。
自分の気持ちを伝えるのが……。

Karin

……最近の松永さん、以前とは少し変わりました。
あやめちゃんと出会ってから、笑顔が見えるように。

Tamami

ええ。きっと松永殿も、同じ気持ちのはずです。
そして言い出せないのも、きっと……。

Ayame

……。

Karin

今ここでなにもしないのは、逃げているのと一緒ですよっ !

Tamami

そうです、逃げないで立ち向かってくださいっ !

Karin

思い込んだら一直線 !
あやめちゃんらしく、ぶつかってみましょうっ !

Tamami

忍んでいるようで、忍べていない !
それこそがあやめちゃんですよっ !

Ayame

……あの、ふたりとも、ちょっと悪口になってませんかっ ! ?

Karin

……ふふふっ。元気、でましたか?

Tamami

そのくらいの方が、珠美は良いと思いますよっ !

Ayame

歌鈴ちゃん、珠美ちゃん……。ありがとう、ふたりとも。
決めました。わたくし、行ってきます ! ……土佐へ !

Karin
Tamami

……ええっ ! ?
……ええっ ! ?

涼一郎

名残は尽きぬが……さらば、江戸よ。

Ayame

……お待ちくださーい ! 松永さまーっ !

涼一郎

……あやめ殿 ! ?

Ayame

はぁはぁ……間に合った……。

涼一郎

どうしたのですか、こんな夜更けに !
そんな大荷物まで持って !

Ayame

松永さまにどうしても、お伝えしたいことが !
……聞いていただけますか?

涼一郎

……はい。

Ayame

松永さまと出会ったのは、男たちに絡まれた時……。
あの時に助けていただいたこと、松永さまの凛々しさ、
わたくしは一生涯忘れません。

Ayame

そして、あの瞬間生まれた感情も、やはり忘れられないのです。
わたくしは……松永さまを、お慕いしています。

Ayame

唯一の家族であった父も既におらず、どこへとも行ける身……。
どうか……どうかわたくしを、松永さまのそばに置いてください !

涼一郎

あやめ殿……参りました……。
貴方にそんなことを言わせてしまうなど……。

涼一郎

本当は、拙者から言わねばならぬこと。
卑怯と思われるかもしれませんが、改めて、言わせてください。

涼一郎

……あやめ殿、拙者のそばにいてください。
辛い道中であり、楽な生活の保証もできません。
それでも、拙者について来てくれますか、あやめ殿……?

Ayame

はい、もちろんです、松永さまっ !
いついつまでも、わたくしはあなたのそばにいます…… !

翌日

Ayame

おお…… ! プロデューサー殿 !
わたくしたち、やり遂げましたよ !
この通り、撮影できましたっ !

お疲れさま !

Karin

お疲れさまでしたっ !
私、頑張れました ! 最後まで噛まず転ばず、
無事終えることができました~っ。

Tamami

はいっ。等身大の町娘の演技……
子どもっぽく、というお芝居が難しかったですが、
真に迫っていると監督からお褒めいただきましたよっ !

Ayame

おふたりに支えられて、わたくしも恋する町娘役を
なんとか務めあげることができました。
本当にありがとうございますっ !

Karin

こちらこそ ! あやめちゃんのお芝居、素敵でした !
ドキドキしましたよ~ !

Tamami

いつものあやめ殿のようでありながら、
時折見せる真剣な恋するお顔……お見事でした !

Ayame

そ、そんなに褒められると……
ニンッ ! 隠れ身の術っ !

Ryo

ずいぶんにぎやかだな !
ん? ……あやめは何をやってるんだ?

Ayame

涼殿に見抜かれた……かくなる上はっ !

Karin

あっ ! け、煙玉はダメですからねっ ! ?

Tamami

あははっ。昨日までの芝居がウソのように
いつも通りのあやめ殿ですね !

Ryo

あははっ。これが終わったらフェスだろ?
町娘からアイドルに戻らないとな。

Karin

はい ! 時代劇の撮影は一段落で、フェスもすぐ目の前……。
もう後は、最後まで転ばないようにラストスパートです !

Ayame

そうですねっ。
時代劇を通して、恋をする気持ちが少しだけ理解できました。
この想い、歌に込めてみせますよっ !

Ending[edit]

Growth & Odango is Fortune

フェスを大成功で終えたあやめ、珠美、歌鈴は、涼と
卯月からも褒められ、こうして成功を収められたのは
時代劇とフェス、両方があったからだと振り返る。
ふたつの仕事が運命なら、こうしてみんなやPと
出会えたこともまた運命。彼女たちの永遠に続く
ストーリーは、まだ始まったばかりだ。

'

フェス終了後

Ayame

お疲れ様です、珠美殿、歌鈴殿っ !

Tamami

お疲れ様ですっ ! フェス、大成功でしたねっ !

Karin

はいっ ! 3人で力を合わせた成果が出せましたっ !

みんな、お疲れ様

Ayame

お疲れ様です、プロデューサー殿 !
あっ、涼殿、卯月殿っ !

Ryo

よっ。みんなのステージ、見させてもらったよ。
はっきり言って……最高だったぜ !

Uzuki

はいっ !
みなさんの『キミのそばでずっと』、すっごくよかったです !

Uzuki

3人らしく元気で可愛いんですけど、
なんだか切ない感じもあって~、上手く言えないけど、
とってもとっても感動しましたっ !

Tamami

ありがとうございますっ !
えへへ、はっきりと褒められるのは照れますけど、
嬉しいものですねっ !

Ayame

時代劇の撮影と、フェスのレッスンで忙しい毎日でしたが、
どちらも終わった今となっては、良き思い出です !

Karin

不安になったり、悩んだり、疲れが溜まったり……
それも含めて充実した毎日でしたよね♪

Ayame

そうですね。恋愛時代劇の話を聞いた時は、
ちゃんとできるのかと心配をしたものです。

Tamami

『キミのそばでずっと』をフェスで歌うと聞かされた時も、
珠美たちが歌って大丈夫なのかと気がかりでした……。

Ayame

どちらも終わった今だからこそ思います……。
その両方は、支え合っていたんだなって。

Ayame

恋愛時代劇に出演したから『キミのそばでずっと』を歌えて、
『キミのそばでずっと』のレッスンをしていたから、
最後まで恋愛時代劇を演じられたんです、きっと !

Ryo

確かに不安そうな顔をしてたもんな、3人とも。

Ayame

でも、できました。
上手くできるか不安だったこと、両方ともできたんですっ !

Uzuki

いっぱい頑張ってましたから、大丈夫だって信じていましたよ♪

Tamami

期待と信頼に応えてこその、剣士でありアイドルですからね !

Ryo

アハハッ、いいね ! カッコイイぜ、珠美 !
ひとつ上のステージに上がったんだな、みんな !

Ayame

そう、なんでしょうか? そうだとしたら嬉しいです !

Uzuki

恋愛時代劇のお仕事が来て、
フェスで『キミのそばでずっと』を歌うなんて、
タイミングがすごくいいですよね?

Tamami

言われてみれば、その通りです……。

Karin

これって狙っていたんですか、プロデューサーさん?

本当に偶然。でも…
運命だったのかも

Ayame

運命……。そうですね。
偶然にしてはできすぎてますし、運命を感じます。

Tamami

時代劇とフェスのタイミングが運命なら、こうして珠美たちが
事務所のみんなやプロデューサー殿と出会えたことも、
きっと運命ですね !

Karin

私たちの永遠に続くストーリーは、まだ始まったばかり……
ですよね、プロデューサーさん !

もちろん、まだまだ
これからだ !

Ryo

さすがプロデューサーサン、言ってくれるぜ !

Karin

さすが、私たちのプロデューサーさんですっ♪
……ところでみなさん、お腹空いていませんか?

Uzuki

言われてみると、少し……。
たくさん応援したから、でしょうか。

Karin

でしたら、おだんごを食べにいきませんか?
実は調べてきたんです。
撮影の時に使った、おだんごのお店 !

Tamami

いいですね !
あの味を、また味わいたいと思ってたんです !

Ryo

アタシも、もちろん賛成だ。
やたら美味しかったからな、あのだんご。

Ayame

それじゃあこれからみんなで、おだんごを食べに行きましょう !
もちろん、プロデューサー殿もご一緒に、ですよ♪