Flip Flop (event)/Commus

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Opening[edit]

Woh yeah ! Slapstick !

茜、珠美、藍子、雫、歌鈴がやってきたのは、紅葉が美しい村落。今回のお仕事は、秋祭りのステージで『Flip Flop』を歌うことと、村のPVに出演することだ。村の景色を見て、お仕事が一層楽しみになる5人。そんな5人を見て、PV制作に消極的だった実行委員もやる気に。みんなの心がひとつになった。

'

山道

Akane

うおおおおおーーーーっ !
山だっ ! 山だっ ! 山がっ ! 燃えているっ !
うーーーっ、ボンバーーーーーー !

Tamami

ここは山、目的地は神社……。
まさか、焼き討ちっ ! ? 敵はどこにっ ! ?
この珠美が成敗してくれましょうっ !

Karin

茜ちゃんも珠美ちゃんも、怖いことを言わないでくだひゃいっ !
あう……また噛んじゃった。
あ、もっ、燃えるような紅葉、ってことですよねっ? 雫ちゃん?

Shizuku

そうですねー、歌鈴ちゃん。
辺り一面が真っ赤に色づいて、素敵な景色ですねー。
実りの秋でもありますし、私、秋が大好きですー。

Aiko

この辺りは空気も美味しいですね。
ちょっと都会から離れただけで、こんなにも違うなんて !
お世話になる所も、きっと素敵でしょうね。

Akane

本当ですか藍子ちゃん ! それは楽しみですねっ !
早くたどりつきたいっ ! よーーーーしっ !
全力~~~~、ダーーーーーッシュ !

Tamami

あっ、あっ ! 珠美もお供しますぞ、茜殿ーっ !

合宿所

Tamami

ぷしゅ~~~~~……。

Akane

ふぉ~……良い建物ですねっ !
何と言うんでしょうか……古いっ ! 良い意味でっ !
ほらっ ! 見て下さい、珠美ちゃん ! お庭が広いですっ !

Tamami

あ、茜殿の体力は、どうなってるんですか……?
珠美は少し休憩させていただきます……ふぅ~。

Aiko

それで、プロデューサーさん。
今回のお仕事は秋祭りのゲスト、でしたっけ?

P

詳しくは実行委員の方から説明してもらいます。

実行委員

いやー、アイドルのみなさん。
こんなへんぴな村まで、お越しいただきありがとうございます !

Shizuku

いえいえ、へんぴ、だなんてー。
のんびりしていて、素敵な所ですー !

実行委員

そう言ってもらえると、お世辞でも嬉しいですね。
私、役場の土井中と申します。

土井中

何も無い所ですが、合宿するにはうってつけですので !
どうぞ、のんびり過ごしていただければと。

Karin

お、お世話になりますっ !
私たちも、お祭りを盛り上げられるように、
精いっぱい歌わしてもらいますっ !

Aiko

歌う曲は『Flip Flop』ですねっ。
今回は5人の力を合わせて、
ハッピーなステージにしましょうね。

土井中

今回は、秋祭りでのLIVEと合わせて、
プロモーション映像の撮影にも協力いただきたく……。

Tamami

プロモーション映像……。
それはこの村のPVということでしょうか?

土井中

はい。秋祭りはいくつかの自治体合同で開催します。
ステージで、それぞれ秋をアピールする
PVを流すことになっていまして……。

Akane

なるほどっ !
私たちが、この村の秋をアピールするわけですねっ !

土井中

アピールと言っても、この村の名産は「いも」くらいなので。
おいもを持って、何かコメント頂くだけで大丈夫です !

Aiko

おいもを持って、コメント……。
それだけ、ですか?

土井中

ええ。毎年同じような内容ですから。
今回はアイドルの皆さんが映っているだけで、
最高のアピールになりますよ !

Shizuku

うーん……。
本当に良いところって、そこだけなんでしょうかー?

Akane

……ううむ。

Tamami

茜殿?

Akane

ダーーーーーメーーーーーですっ !
それではダメですっ ! そこに、燃える心はありませんっ !
私たちが燃えていなければ、見る人も燃えませんっ !

Karin

わ、私も、そう思いますっ。
私たちが映ってるだけでいい、なんて。
それじゃあ、この村のPVじゃなくなっちゃいますしっ !

土井中

とは言っても、本当にそれ以外……。

Tamami

無いならば、見つけてみせよう、良いところっ !
良いところ探し、珠美はいくらでもお手伝いしますっ !

Shizuku

わぁー、それ、楽しそうですねー !
知られていない名産や絶景が、
どこかに待っているかもしれませんよー。

土井中

ありがたい申し出なのですが……。
その、色々と大丈夫ですか?

Aiko

あ……そうですよねっ。
プロデューサーさん。
すいません。私たち、勝手にお話を進めてしまって……。

P

思ったようにやってみよう。

Aiko

……ありがとうございますっ !
LIVEに向けての練習と、村の秋のPV撮影。
ふふっ、楽しい合宿になりそうですねっ。

土井中

では、よろしくお願いします !
みなさんを見ていると、私もやる気がわいてくるようで……。
お手伝いできることがあれば、何でも言ってください !

Shizuku
Aiko
Akane

よろしくお願いしますっ !
よろしくお願いしますっ !
よろしくお願いしますっ !

Tamami
Karin

よろしくお願いしますっ !
よろしくお願いしますっ !

Shizuku

そういえば……今回はPV撮影だから……。
監督になる人がいるんじゃないでしょうかー?

Akane

かっ、監督 !
練習方針や作戦を決める重要な役目ですねっ !

Karin

あ、茜ちゃん、そっちの監督じゃなくて……。
ビデオとかカメラとか得意な人がいいんでしょうかっ?
だったら……藍子ちゃんとか?

Aiko

私?
えぇと、みんなが良ければ、やってみようかなっ?
簡単なカメラくらいしか使ったことないですけど。

Akane

私は大賛成ですっ !
藍子ちゃんが私たちを導いてくれるならば、
ハッピーな映像になること間違いなしですっ !

Tamami

はいっ !
藍子殿の優しくゆるふわな雰囲気、
ぴったりだと思いますっ !

Shizuku

はいー、みんなでお手伝いしましょうー !

Karin

私もご迷惑をかけないように頑張りましゅっ !
うう……。

Akane

では、藍子監督っ ! 掛け声をっ !

Aiko

はいっ ! みんなで秋を目いっぱい楽しんで、
見てる人も楽しくなっちゃうような、
そんなPVを作りましょうねっ。頑張るぞーっ !

Shizuku
Akane

おーーっ !
おーーっ !

Tamami
Karin

おーーっ !
おーーっ !

Chapter 1[edit]

レッツ・モミジ・ハンティング

秋といえば、紅葉。茜、歌鈴、藍子の3人は、寺の庭掃除をしていた。手際のよさを茜にほめられた歌鈴は、実家が神社で、掃き掃除が日課だったからと明かす。そんな最中、歌鈴は転び、落ち葉にダイブ !その様子を見た茜と藍子は、落ち葉のベッドをPVに取り入れることにした。歌鈴のドジが名案となった。

'

合宿所の庭

Aiko

歌鈴ちゃんは、秋と言ったら何を思い浮かべます?

Karin

そうですね~、私はやっぱり紅葉の秋ですっ !
真っ赤に色づいた紅葉なんかは、神社でもよく見る景色ですし。

Akane

秋は紅葉狩りが楽しいって言いますからねっ !
でも、動かない紅葉を狩るというのは……面白いんですかねっ?
もっとこう、猪狩りとかのほうが……。

Aiko

ふふっ、茜ちゃん。紅葉狩りっていうのは、
紅葉を見て楽しむことを言うんですよ。

Karin

あっ、でも、あながち間違いじゃないかもしれませんっ。
私、秋のお掃除が好きで。
いっぱい紅葉を集めると達成感がありますからっ !

Aiko

たしかに、そうかも。
こんなに積もった落ち葉を集めるのは、
なんだか楽しそうっ。

Karin

はいっ ! これから、お庭のお掃除だからちょうど良いですね。
ほうきを使ったお掃除なんて久しぶりだから、
ワクワクしちゃいますっ !

Akane

では私もお手伝いしましょうっ !
歌鈴ちゃん、ほうきをっ !

Karin

は、はいっ。

Akane

落ち葉は私が狩りつくしますっ !
うぉぉぉぉっ ! ばさばさばさばさばさばさーーーっ !

Aiko

あ、茜ちゃん、そんなにしたら余計に散らかっちゃいますよ~。

Karin

それに、あんまり強くすると、土までとれちゃいますからっ !
こうやって……さっさ、さっさ、ってなでるみたいに、
優しくするといいんですよっ。

Akane

おー……おおー !
みるみる落ち葉が集まっていきますっ !
なんという技術っ ! これが大和撫子のパワー !

Karin

そ、そんなことは……えへへ。
実家にいたころは、私が掃き掃除の係だったから、
慣れてるだけかもっ。

Aiko

歌鈴ちゃんのご実家は神社なんですもんね。

Karin

はいっ。
秋になると紅葉が綺麗な場所なんですよっ。
それが目当てに参拝にいらっしゃる方も多くって。

Karin

……そうだ。せっかくだから紅葉もPVに入れちゃいませんかっ?
赤く染まった木々を見てるだけで、秋って感じ、しますからっ !

Akane

都会にいては見られない風景ですからねっ !
でも、こんなに綺麗な自然に囲まれているのに、
村の人は気づいていないんでしょうか?

Aiko

うーん……。
住んでる人たちにとってはありふれた光景だから、かなぁ?
あえて映すほどの事でもないって思っちゃうのかも。

Karin

それに秋で紅葉、なんて誰でも思いつきますよね……。
ううっ、す、すいませんっ。大したアイディアじゃなくてっ !

Aiko

歌鈴ちゃん、そんなことないよ。
きれいな物を見つけられるのは、心がきれいな証だから。

Karin

あ、藍子ちゃん……っ ! ありがとうございますぅぅ~。
よし、お掃除係としても貢献できるように、
精いっぱい頑張ります ! えいっ ! えいえいっ !

Akane

あっ、そんなに急いで掃除をしたら……。

Karin

ふえっ? ……ひゃっ、ひゃぁぁっ !

Karin

あうっ……こけちゃいました~。
掃除さえも満足にできないなんて……。
ううう~っ。ドジでノロマな歌鈴のバカ~。

Akane

歌鈴ちゃん、ケガはないですかっ ! ?

Karin

は、はいっ。落ち葉がクッションになってくれて……。

Aiko

落ち葉……。
……私、良い事思いつきましたっ !

Karin

えっ?

P

調子はどう?

Aiko

あっ、プロデューサーさん、良いところに。
ささっ、こっち、こっちですよっ !

Akane

日野茜っ ! お先に失礼しまーーすっ !
ダーーーイブっ ! ばさばさーーーっ !

P

これは?

Aiko

落ち葉のベッドですっ !
ただ紅葉を撮るだけじゃなくって、
ここにみんなが寝転んでたら楽しいだろうなって♪

Karin

私のドジも、たまにはお役に立てたでしょうかっ !
せっかくだから、みんなで寝てみましょうっ !
……よかったら、プロデューサーさんもご一緒にっ。えへへっ♪

こうして、アイドルたちが落ち葉のベッドで、
気持ちよさそうに眠る映像が撮影されたのだった……

Chapter 2[edit]

白い秋の恵み

秋といえば、牛乳。雫は、珠美と藍子に、近くの牧場で搾った新鮮な牛乳を振る舞う。実家が牧場の雫は、牛乳を飲みながら、藍子や珠美に牛を取り巻く環境や酪農家の現実を話す。それを聞いて心を動かされた珠美と藍子は、雫と牧場へ撮影に向かう。こうして、雫の思いやりがPVに収められたのだった。

'

合宿所

Shizuku

秋と言ったらですが、私にとってはやっぱり、
牛乳の秋ですーっ !

Tamami

ほう。牛乳、ですか?
珠美は一年中、毎朝おいしく飲んでますよ !

Shizuku

珠美ちゃん、素晴らしいですー !
これからも、いーっぱい牛乳を飲んでくださいねー。

Tamami

はいっ !
毎朝の牛乳で、いつか珠美も雫殿のように……。

Shizuku

私みたいにー?

Tamami

……はっ ! あ、いえいえ !
なんでもありませんよ ! はははは !

Aiko

ふふふっ。
秋は旬の食べ物が多いですけど、
牛乳も秋が美味しくなるのかな?

Shizuku

そうですねー !
秋は涼しくなって、過ごしやすいですよね。
それから食べ物も美味しい季節ですー。

Shizuku

牛さんが元気に美味しいご飯をいっぱい食べる時期だから、
冬に向けて、牛乳も美味しくなるんですよー !

Aiko

そうなんですねー。
秋は、みんなが幸せになる季節ですね。
牛さんも、美味しい牛乳をもらう私たちも !

Tamami

さすが雫殿……。
おいかわ牧場の娘の名は伊達じゃないですね !
牛乳のことにかけては右に出るものはいないほど !

Shizuku

ありがとうございますー♪
というわけで、今日は近くの酪農家さんからわけていただいた、
新鮮な牛乳を用意してもらっちゃいました ! どうぞー。

Tamami

おお、これはこれは !
では、ありがたく。いただきまーすっ !
んっんっんっ……。

Shizuku

んぐっ、んぐっんぐっ……ぷはぁー。
コクと甘味が豊かで、とっても美味しいですねー !

Aiko

うん、本当に美味しい !
やっぱり、土地によっても牛乳の味は違うものなんですか?

Shizuku

はいー。土地だけじゃなく、気候やお水、食べ物、過ごし方……。
いろんな要素で変わってきますねー。一番大切なのは、
牛さんが健康で快適に過ごせるかどうか、でしょうかー。

Tamami

……健全な精神は、健全な肉体に。
美味しい牛乳は、健康な牛さんから、というわけですね !
なるほど !

Shizuku

ええー。きっと、この牛乳を作ってくれた牛さんは
とっても大切にされているんだろうなって思いますー。

Shizuku

牛さんは、住む場所や生き方は選べませんよね。
だからこそ、牛さんにおいしい牛乳を作ってもらえるように、
元気にのびのびしていてもらいたいって思うんですー。

Aiko

雫ちゃん、とっても優しいんですねっ。
牛さんのことをそんなに考えて……。

Shizuku

いえいえー。
……牛さんの理想の環境のためには、お金がいっぱいかかります。
時には、現実的にならないといけないことだって……。

Shizuku

だから、設備とかお商売とか、いろいろなところで工夫して、
素敵な牧場にしようと頑張っている生産者さんのことは、
応援してあげたいと思うんですー。

Tamami

ほぁー……雫殿は立派です ! 心が大きい !
珠美も微力ながら、たくさん飲んで応援しますっ !

Aiko

……私も応援しますっ。
それに、せっかくだから、その牧場に行ってみませんか?
こんなに美味しい牛乳を頂いたお礼も兼ねて !

Shizuku

監督、いいんですかー? 行きましょう、行きましょうー !
牧場で牛さんと一緒にPV撮影ですねー !
とーっても楽しみですー ! うふふ♪

こうして、アイドルたちが、牛とふれあう映像がPVに追加された……

Chapter 3[edit]

上を向いて転ぼう

秋といえば、スポーツ。茜の提案で、茜、雫、歌鈴の3人は、スポーツをするため山へ行くことに。どんなレジャーをするのかと思いきや、やるのは特訓( ! )走り出す3人だが、歌鈴はさっそく転んでしまう。ドジな自分ではスポーツの秋を楽しめない…と嘆く歌鈴に、茜は優しく手を差し伸べるのだった。

'

Akane

秋と言えばっ ! もちろんスポーツの秋ですっ !
さあっ、みんなで秋のスポーツレジャーに出かけましょう !

Shizuku

おーーっ !

Karin

は、はいっ !
あれ、でもこの辺りにレジャー施設なんて……。

Akane

何を言ってるんですかっ !
見渡す限りの山っ ! そして森っ !
特訓にはうってつけのロケーションじゃないですかっ !

Karin

えええっ ! と、特訓っ?
レジャーじゃなかったんですかっ ! ?

Akane

歌鈴ちゃん……何事も、強くなるのは楽しいことですっ。
つまり、特訓もまたレジャー !
これぞ、完璧なスポーツ理論ですっ !

Karin

今の完璧ですかっ ! ?
体育会系の人って、すごいっ…… !

Shizuku

うふふ、でも、野山を駆け回るだけで
とっても楽しい気分になれちゃいますからー。
茜ちゃんと一緒に走ってみましょうっ。

Karin

し、雫ちゃんまで……。
でも、あの、私……。

Akane

さあ、みんなで美しい自然を駆けぬけましょうっ !
行きますよーーーっ !
うおおおおおおっ !

Shizuku

もおおーーーーーっ。

Karin

お、おおーーー……はうっ !
あっあっあっ……きゃあああっ !

Karin

ふぇぇ……やっぱり転んじゃいましたぁ……。

Akane

大丈夫ですかっ ! 歌鈴ちゃんっ !
さあっ、手をとって !

Karin

あ、ありがとうございますっ……。

Akane

さあ ! 気を取り直してもう一度行きましょうっ !
うおおおおおおっ !

Shizuku

もおおーーーーーっ。

Karin

お、おおお~~……はわっ。

Shizuku

あっ、また……。

Karin

おっとっとっと…… !

Akane

踏みとどまって ! 歌鈴ちゃんっ !

Karin

む~~~……やっぱダメですぅーー !

Karin

ふぇぇ……。やっぱり私、ダメな子……。
私には、スポーツの秋を楽しむことなんてできないんです~ !

Shizuku

歌鈴ちゃん、泣かないで下さいーっ。
はいっ、立てますかー?

Karin

あ、ありがとうございます……。
でも、あの。私、ここで見守ってますからっ !
お2人はスポーツの秋を……。

Akane

何を言っているんですか、歌鈴ちゃんっ !
私たちはチームです !
全員で一丸となって頑張るんですよっ !

Akane

100回転んだっていいんですっ !
でもその代り、101回立ち上がりましょうっ !
私も手ならばいくらでも貸しますっ ! 片手で足りなければ、両手を !

Shizuku

茜ちゃんの言う通りですー。
のんびりしてる牛さんも、群れになると力強く走るんです。
きっと私たちも一緒に走れば、強くなれるはずですー !

Karin

茜ちゃん、雫ちゃん……。
こんなドジな私を見捨てないでいてくれるんですかっ?
親にも友達にもお手上げされたドジの私を…… !

Akane
Shizuku

もちろんですっ !
はいー !

Karin

……うぅ。わ、わかりましたっ。
私も……私も2人と一緒に走りたいですっ !

Akane

燃えてきましたね、歌鈴ちゃんっ !
さあ、行きましょう ! この山の彼方までっ !

Shizuku

晩ご飯までには帰りましょうね~。

Karin

はいっ ! それでは、歌鈴、行きますっ !
うおおおーーーーっ !
……あっ。

Akane
Shizuku

あっ。
あっ。

Karin

はぅ……でも、まだまだーーっ !

Akane

その意気ですよっ ! 歌鈴ちゃーーーんっ !

スポーツの秋、あらため、特訓の秋は遅くまで続いた……

Chapter 4[edit]

かくも険しき御芋道

秋といえば、食欲。珠美、雫、歌鈴の3人は、村の名産であるさつまいもで焼き芋をすることに。珠美は格好をつけて焼こうとするが、あえなく失敗。落ち込む珠美を、雫と歌鈴は優しく励ます。仲間の助言を受け、珠美は再度挑戦することに。失敗を超えて、美味しい焼き芋ができたのだった。

'

Tamami

秋と言えば、やっぱり食欲の秋ですっ !
腹が減っては戦はできぬ !
と、いうわけで、名産のさつまいもを頂いてきましたよっ !

Shizuku

わーいっ !

Karin

ぱちぱちぱちー !

Tamami

歌鈴殿が集めてくれた落ち葉もあることですし、
たき火で焼き芋と参りましょうっ !
きっと、季節感のある映像になること間違いなしっ !

Karin

わぁ~。落ち葉でたき火って、私やったことないですっ。
楽しみですっ……けど、危ないから私は少し離れて見てますねっ。

Shizuku

じゃあ、火起こしからですねーっ。
私、準備してきますー。

火起こし後

Shizuku

はーい、火がつきましたよーっ。

Karin

まだまだ落ち葉はありますから、
足りなかったら言ってくださいねっ。

Tamami

おおっ ! 雫殿、流石の手際ですっ。
では、さっそくお芋を焼きましょうっ !
いざっ !

Shizuku

あっ、珠美ちゃん、待って下さいー。
燃えている所に芋を入れても焦げちゃいます。
おき火にしてから焼きましょうー。

Tamami

おき火、とは?

Shizuku

えっと……灰になって、うっすら火がついている状態、ですかねー。

Karin

雫ちゃん、詳しいんですねっ。

Shizuku

うふふ、アウトドアは得意なんですよー。
さ、珠美ちゃん。焦らずのんびりやりましょうー。

Tamami

むむむ……。

数分後

Shizuku

芋をホイルに包んで、灰の中にいれて……っと。
はい。あとは待つだけですよー。

Tamami

何だか、想像していた焼き芋とイメージが違いますな……。
えっ、どれくらいで焼けるんですか?

Shizuku

1時間くらいですねー。

Tamami

い、1時間っ ! そんなにかかるのですか……。

Karin

それだけあれば、お庭もだいぶ綺麗になりそうですっ。
私、あっちの方を掃除してきますっ !

数分後

Tamami

むぅ~……。

Karin

珠美ちゃん? どうしたの、難しい顔して……。

Tamami

何というか、地味、というか……。
もっとこう、燃え盛る炎 ! 焼けるいも ! みたいに、
動きのある感じにならないものでしょうかっ ! ?

Shizuku

う~ん、とは言っても……どうしましょうー?

Tamami

……よしっ !
焼き芋を待つ間に、珠美流の焼き芋にチャレンジしたくっ !
雫殿、歌鈴殿、ご協力をっ !

Karin

は、はいっ。

Shizuku

……わかりましたーっ。
とりあえず、やってみましょうー !

Tamami

ご覧あれ ! これぞ珠美流……。
必殺 ! 脇山一刀流、焼き芋の構えっ !
しゃきーんっ !

Karin

珠美ちゃん、かっこいいですっ !

Shizuku

うふふっ。楽しそうで、良かったです~。

Tamami

では、いただきますっ !
がぶっ。……か、固い。

Karin

こっちは中までホクホクで美味しいですっ !

Shizuku

お芋はじーっくり火を通してあげると、
ホクホクあまーくなってくれるんですよー。

Tamami

くっ……所詮、我流の付け焼刃ではダメだったか……。

Shizuku

珠美ちゃん。
焼き芋は美味しくなるまで、
じっと見守ってあげることが大事なんですよー。

Tamami

なんということ……。
珠美は……珠美は、焼き芋の真髄を理解していませんでしたっ !
見栄えばかりこだわって、何という未熟者っ !

Shizuku

珠美ちゃんが焼いてたものも、
もう一度火を通せば食べられますから。
再挑戦、しませんか?

Karin

落ち葉はまだまだありますっ !
珠美ちゃん。失敗しても、次で成功すればいいんですよっ !

Tamami

お2人とも……ありがとうございますっ !
あらためて、よろしくお願いいたしますっ !

NGシーンも交えつつ、
名産のさつまいもを十分にアピールする映像が撮影できた……

Chapter 5[edit]

しあわせのおすそわけ

秋といえば、写真。PVの素材を撮るために、カメラを片手に秋の山を歩く茜と藍子。カメラに不慣れな茜に、藍子は優しくアドバイスする。その助言とは『自分が幸せに感じるものを撮ろう』。それを聞いた茜が撮ったのは、秋を満喫する藍子の笑顔。珠美にしあわせのおすそわけもでき、大満足の茜だった。

'

Aiko

秋と言えば、写真の秋っ。
この季節は素敵なものがいっぱいで、
お散歩してるだけで撮りたいものがたくさん見つかりますねっ。

Akane

藍子ちゃん ! これはどうですかっ !
スピード感あふれる写真が撮れましたよっ !

Aiko

これは……ブレちゃってるかも……。

Akane

あ、あれ。
ダメですかーっ ! ?

Akane

写真って、難しいですねっ !
シャッターチャンスを逃さないようにと思うと、
つい力んでしまって…… !

Aiko

ふふふっ、そんなに慌てなくても……。

Akane

あっ ! あの木に止まってる鳥 !
いただきですっ ! それーっ ! !

Aiko

茜ちゃん、そんなに大きな声出すと……。

Akane

逃げられました。しょぼん……。
藍子ちゃん、何か写真のコツとかないんですかっ ! ?

Aiko

うーん……。私も上手なわけじゃないから、
技術的なアドバイスはできないけど……。
写真を撮ること自体を目的にしないこと、かなぁ?

Akane

写真を? 撮ること自体を?
目的に? しないこと?
……とは?

Aiko

ふふふ。お散歩するとね、色んなものに出会うよね。
お昼寝してる猫とか、綺麗に咲いた花、空にかかる虹……。
見つけたら、なんだか幸せな気持ちになれるもの。

Akane

あぁ、そういえば……。
藍子ちゃんの写真は、どれもほっこりしますよね !
らしさがにじみ出てる感じがします !

Aiko

そうかな? ふふふっ。
そう言ってもらえると嬉しいなっ。

Aiko

もともと、写真が趣味だったわけじゃないんだけど……。
お散歩して、見つけた幸せを誰かにもおすそ分けしたいと思って、
写真を撮るようになったの。

Aiko

だから、写真を撮るのが目的じゃなくて、
自分が幸せを感じるものに出会えれば、いいんじゃないかなぁ。
私は、そう思ってお散歩しているよ。

Akane

なるほどー !
でも、今日はPV用の素材を撮影に来たんだから、
撮れなかったら困っちゃいますね……。

Aiko

ふふふっ、その時は出会えるまでお散歩を続けましょう♪

Akane

な、なるほどーーー !
いやぁ……藍子ちゃんの精神力、尊敬しますっ !
私が足を引っ張ってしまって、申し訳ないっ !

Aiko

いえいえ♪
だって、こうやって茜ちゃんとおしゃべりしながら、
お散歩してるだけで、とっても楽しいからっ♪

Akane

……藍子ちゃんっ !

Aiko

ふふふっ、さっ、茜ちゃんもたまにはのんびり歩いて、
幸せを探しにいこうっ♪ なーんて、ふふふっ。

Akane

……はっ ! 今っ ! 幸せ、感じたかもしれませんっ !
……ここだっ !

Aiko

えっ?

数時間後

Tamami

藍子殿ー ! 茜殿ー !
焼き芋ができましたよー !

Akane

あっ、珠美ちゃーん !
くんくんくん……いい匂いがしますっ !

Tamami

ふっふっふ。珠美が仕込んだ芋も、そろそろ焼きあがるころかと !
ぜひ、お2人にも味わっていただきたいっ !

Aiko

わぁ、楽しみですっ。
それじゃ、みんなのところに戻りましょうか。

Tamami

それで、お2人は……どうでした?
写真撮影の方は順調でしたか?

Akane

ふっふっふ……幸せ感じる写真、
バッチリ撮れましたよっ !

Aiko

もう……茜ちゃんたら。

Tamami

藍子殿。何か、問題でも?

Akane

珠美ちゃん、これを見て下さいっ !
私の最高傑作ですよっ !

Tamami

これは……ぶれてますね。
鳥……?

Akane

あっ、え? あ?
こ、これじゃなくて……こっちですっ !

Tamami

これは、藍子殿。おぉ、素敵な笑顔ですね !
……でも、これがこの村の秋の良いところと関係が?

Akane

この笑顔はですね、この村の秋を満喫する
藍子ちゃんの笑顔なんですっ !
この笑顔が、ここの良さの証拠なんですよっ !

Aiko

もう……恥ずかしいからやめてって言ってるのに、
聞いてくれなくて。
ちゃんと景色も自然も私の方で撮ってるからねっ。

Akane

いやいや、この笑顔が何よりのお宝写真 !
そうだ ! みんなに見せてこよう !
未央ちゃんにも送って~、あとはプロデューサーにも !

Aiko

あ…… ! 茜ちゃん、ダメ~っ !
恥ずかしいから~っ。

Akane

いやいや、幸せのおすそ分けですよっ !
藍子ちゃんの教えですからねっ !

Aiko

もう……ふふふっ。
じゃあ、お返しに写真がうまく撮れなくて、
しょんぼりしている茜ちゃんの写真、シェアしちゃおう。

Akane

あああ~、藍子ちゃん、それは~……。

Tamami

なんだか、楽しそうでいいですね !
是非、珠美の写真も撮っていただきたいっ !

Aiko

もちろんっ。
せっかくだからみんなで記念撮影もしちゃいましょうっ♪

Tamami

賛成ですっ !

Akane

藍子ちゃん~、さっきの私の写真はっ…… !

Aiko

あれはシェア決定ですっ。

Akane

そ、そんな~……。

Aiko

うふふっ。

幸せそうに秋を満喫するアイドルたちの表情が、PVを彩った……

Ending[edit]

Laugh and grow happy!

秋祭りでのLIVEとPV撮影のお仕事を終えた5人。実行委員から感謝の言葉をもらい、村で過ごした日々を振り返る。5人は名残惜しさを感じながらも村を後にする。この秋、少女たちが得た恵みは、季節が変わっても鮮やかに残り続けることだろう。

'

LIVE後

Aiko

秋祭りLIVE、お疲れさまでしたーっ !

Akane
Tamami

お疲れさまでしたーっ !
お疲れさまでしたーっ !

Karin
Shizuku

お疲れさまでしたーっ !
お疲れさまでしたーっ !

Aiko

ここまでみんなで過ごした時間、
幸せいっぱいでしたねっ。
みんなにもそれが伝わってたらいいなぁ……。

Shizuku

はいー。素敵な自然に、素敵な仲間。
もぉーっと、この時間を楽しみたかったですけどー。

Tamami

終わりがあるから美しい……。
有終の美を飾れたのではないでしょうかっ !

Karin

はいっ ! お祭りは終わっちゃいましたけど……。
思い出はずっと続きますからっ !

土井中

お疲れさまです ! 今日までありがとうございました !
みなさんのお力で、本当に魅力的なPVになったと思います。
心からお礼を言わせて下さい !

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自然に触れて魅力が
引き出せたね

Aiko

うふふ……。思えば、私はお散歩したり、写真を撮ったり、
私にとっては、いつも通りに、自分のペースで
過ごしていただけのような気がしますけどっ。

Akane

確かにっ ! でも、私はいつもと違う場所で
新鮮な気分で走れましたっ !
それに、カメラもちゃんと撮れるようになりましたしっ !

Aiko

うふふっ。カメラ仲間が増えて嬉しいですっ。
また一緒にお散歩行きましょうねっ。

Akane

もちろんですっ !

Shizuku

私は、牛乳をたーっぷりいただいて、幸せでしたー。
牛乳の良さが、みんなに少しでも伝わっていたなら嬉しいですー。

Tamami

今回、雫殿の知識には感服しましたっ !
牛乳だけではなく、焼き芋の作り方まで精通しているとは !

Shizuku

うふふー。お役に立てて何よりですー。
焼き芋、美味しかったですねー。

Karin

はいっ !
自分たちで焼いたからか、さらに美味しく感じましたっ。

Tamami

珠美はアイドルとしての心構えを、まさか焼き芋から学ぶことになるとは
思いませんでした……。でも、見かけや見栄えだけではなく、
心をもっと大事にしていきたいと思いますっ。

Karin

私は、久しぶりにいっぱい落ち葉掃除をしましたっ !
なんだか、充実感があります~。
みんなともいっぱい楽しめましたし。

Aiko

落ち葉のベッド、ふわふわで気持ち良かったですねっ。

Akane

はいっ ! 爆睡でしたっ !

Karin

それに、みんなのおかげで、私、少し成長出来た気がしますっ。
転んでも、みんなが助けてくれるから……、
転ぶのが、ちょっとだけ怖くなくなりましたっ !

Akane

100回転んだ成果が出ましたねっ、歌鈴ちゃん !

Tamami

100回っ ! ?

Shizuku

歌鈴ちゃんのすごいところは、
何度転んでもケガをしないところですねー。

Aiko

神様に守られてるのかもしれませんねっ。

Tamami

でも、転ぶのもドジ神様のせいと言っていましたし……ううむ。

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そろそろ撤収しようか

Aiko

あっ、もうそんな時間ですかっ !
名残惜しいですけど……私たちのホームに帰りましょうっ !

Akane

はいっ !
帰っても、毎日を目いっぱい楽しんで、
素敵なものに出会いたいですね !

Shizuku

きっと、出会えますよー !
新しいお仕事や、新しいユニット、新しいドラマが、
これからも待っているはずですからー。

Tamami

珠美もっ、いろんなものに触れて、いろんな人のお話を聞いて、
心も体も、もっと大きい人間になりたいですっ !

Karin

はいっ。自分ひとりでは大変なことも、
誰かと一緒だったら乗り越えられましゅからっ !
……あう。

Akane

うふふふっ !
歌鈴ちゃん、次は噛まないような特訓ですねっ !
例えば……舌の筋肉のトレーニングとかっ !

Karin

ええっ ! また過酷な特訓がっ……。

Tamami

それは一体どのような訓練内容なんでしょう……?

Akane

舌で……こう……ダンベルを。

Tamami

危険極まりないっ !

土井中

お車が着きました ! みなさん、どうぞ !

Aiko

じゃあ……そろそろ行きましょうかっ。
本当にお世話になりました ! きっとまた、遊びにきますねっ。
私たちの幸せな思い出と時間が詰まった、この場所に !

Aiko
Akane

ありがとうございましたーっ !
ありがとうございましたーっ !

Tamami
Karin
Shizuku

ありがとうございましたーっ !
ありがとうございましたーっ !
ありがとうございましたーっ !