Sagisawa Fumika/Memorial Commus

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Memorial 1

鷺沢文香

『鷺沢文香』とのメモリアル1です。

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カフェ前

読書をしている少女がいる

Fumika

………………………………。

Fumika

………………?
……私に、何かご用ですか?

Fumika

……あ、貴方は……先日、書店にいらした方、ですね?
たしか、芸能雑誌や写真集を何冊も買われて
……それと、アイドルをお求めとか。

Fumika

……芸能プロダクションのプロデューサー……?
はぁ……それで、資料を買われていたのですか。

Fumika

……ですが、今日は書店はお休みです。
私も、ご覧の通り、今日は本を読んでいるただの学生です。

話をした

Fumika

……はい……鷺沢文香と申します。
……今は学生で……、大学の文学部に通っています。
書店は叔父が経営していて、私はそこでアルバイトを。

Fumika

……本が、お好き……なのですか。
その、書を探している貴方は、真剣に見えたものですから。
お仕事に、情熱を傾けているのですね。……きっと。

Fumika

……私を、アイドルに……ですか?
………………………………。
……あの、やはりお話がよく飲みこめないのですが。

Fumika

……すみません、今日はこのあたりで、失礼します。

数日後

Fumika

……立派な建物……まるで近代図書館のよう。
ここが……芸能プロダクション……。

Fumika

……あ。……お久しぶりです。
突然おしかけてしまい、すみません。
……実は、あれからいろいろと考えたのです。

Fumika

……アイドルに興味があるわけではないのですが、
合縁奇縁、一期一会……という言葉もあります。
貴方と出会ったのも……何かの縁かもしれない、と。

Fumika

あの……もう一度、貴方の言葉で聞かせていただけますか。
アイドルという、まだ見ぬページの物語を。
……時間は、ありますから。

Memorial 2

鷺沢文香

『鷺沢文香』とのメモリアル2です。

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レッスンスタジオ

文香の初レッスンを終えた。
着替えを待っている……

{0}P

…………。

{0}P

………………。

{0}P

………………。

文香が倒れている

Fumika

……あぁ、プロデューサーさん。……す、すみません。
……あと5分、いえ……3分待ってもらえますか?
少し……ほんの少しだけ休ませていただけたら……。

Fumika

……はぁ、はぁ……あ、ありがとうございます。

Fumika

……すみません。
お恥ずかしいところをお見せしてしまいました。
もう、大丈夫です……おそらくは。

Fumika

ダンスレッスンは……本当に、ついていくのが精一杯でした。
まさかみなさん、こんなにハードなレッスンを
日々こなしているとは……。

{0}P

今日のレッスンは基礎レッスンだ……。

Fumika

………………。
これで、基礎……?
本番は、これ以上だというのですか……。

Fumika

他の方のレッスン風景を見る限り、簡単に思えたのです……。
でも、やはり見ることと実践には、
雲泥の差があったのですね……。

Fumika

自分でもできるかも……などと、
少しでも思ったのは大きな過ちでした。
私はやはり、アイドルになれるような器ではありません……。

Fumika

……私の大好きな本は、魔法の装置です。
安楽椅子に座ってページを捲るだけで、夢の旅路へ往ける。
あらゆる能力と夢を、空想の世界で叶えてくれる……。

Fumika

……しかし、本当の経験、本当の能力は、
本を読むだけでは身につかないもの。
身体を動かして、初めて識ることもある……。

Fumika

……他ならぬこの身で、
しかるべき努力をしなくてはならないのですね。
今回、そのことを、まさしく身に染みて感じました……。

Fumika

……私の物語は、まだ序章も終わらぬ序盤の1行目です。
これから、地道に一文字ずつ綴り、
積み重ねていくのですね……。

Fumika

努力し続けていきたいと思います……。
いつか、大団円となる劇的なドラマを描けるようになるまで……。

Memorial 3

鷺沢文香

『鷺沢文香』とのメモリアル3です。

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撮影スタジオ

Fumika

今日は、私のアイドルとしての初めてのお仕事……。
グラビア撮影……。
撮られるのもまた、アイドルのお仕事……。

Fumika

プロデューサーさんに、一つお願いがあるのですが……。
撮影の間は、私のことを見ないでいただけませんか。

どうして?

Fumika

……これでも、勉強してきたのです。
アイドルが水着姿でポーズをとっている様子が
雑誌にはたくさん載っていました。

Fumika

そのようなこと、たやすくできると思えません……。
ましてや、プロデューサーさんに見られてなど、絶対に。

Fumika

だから、せめて見られていなければ
できるかもしれないと、かすかな望みをかけていました……。
……でも、その様子では、ダメなのでしょうね、きっと。

ダメです

Fumika

……そう、ですか……すみません。
私はもう、アイドルで……。
そしてこれは、れっきとしたプロのお仕事……。

Fumika

……分かっていたのです。
そんな子供じみた我儘は通用しないのだろう、と。

Fumika

……芸能の世界はきっと、
私が今まで生きてきた世界のルールが通用しない。
耐えるしか、ないのではないかと……。

Fumika

……私、アイドルになったといっても、
相変わらず人と話すのは苦手です。
歌もダンスも、なにもかもが不得手なまま……。

Fumika

……正直言って、プロデューサーさんの期待に
応えている自信はありません。
ですが、今日ここで応えようと思います……。

Fumika

応えられたら……。
きっと、なにかが変わるかもしれませんから……。

Fumika

……それでは、その……撮影で着る、水着はどちらですか。

Fumika

ですから、水着のグラビアなのですから、水着を……。
もしや、自前で持ってくる必要があったのでしょうか。
だとしたら、用意が……。

 

誤解だと説明した……

Fumika

……宣材写真は、グラビア撮影とは、違ったのですね。
己の愚かさと浅学さに、顔から火が出るようです……。
はぁ…………。

Fumika

……すみません。
あらためて、撮っていただけますでしょうか。
プロデューサーさん。

Fumika

まだ愚かで、未熟な、等身大の私でも……。
覚悟だけは、できていたつもりでしたから。
宣材写真にそれを残せたら、と……。

Memorial 4

鷺沢文香

『鷺沢文香』とのメモリアル4です。

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事務所

Fumika

……初仕事は、バラエティ番組のアシスタント……ですか。
たしかに書店の手伝いはしていましたが、
そういうのは完全に棚違い……別のジャンルではないかと。

Fumika

……申し訳ないのですが、その申し出、
お断りしてもよいものでしょうか?
……とても、できる自信がありません。

Fumika

一歩、踏み出して……。
中身も知らずに、表紙だけで嫌うのは、
よくはないことですが……。

Fumika

……それにしても、バラエティとは、重荷です。
せめて、なにか助言をいただけないでしょうか。

Fumika

視線を上げ続ければいいのですか?
たったそれだけ……。わかりました、やってみます。

収録中

番組MC

はい、というわけで文香ちゃん、つぎのパネル出して。
せーの、ドン !

Fumika

……はい。こちらです。

Fumika

(……よかった。
台本通りに作業していれば、なにも言われない……。
これなら最後まで……)

番組MC

はい、最近の流行りについて、というパネルねー。
じゃあゲストにふる前に……文香ちゃん、
最近の流行で、気になってること、なんかある?

Fumika

(……? )

Fumika

(これは、台本にない流れですが……?
私に答えを要求されている……のでしょうか?
ええと……流行……流行? )

番組MC

文香ちゃーん、恥ずかしがらないで、
なんかないの?

Fumika

(恥ずかしい……のでしょうか? この状況は。わからない……。
でも、あの人は、顔だけはあげてと言ってくれた。
だから、せめて目線だけでも……)

Fumika

(上を見る……)

番組MC

……って、カメラ見ただけかい !
ははは、楽しい子やなぁ。この調子で頼むよー。

Fumika

は、はい……。
(とにかく、話を振られたら、なにか言わなくては……)

番組MC

で、文香ちゃん、このVTR、どうやった?

Fumika

……面白い、です。

番組MC

く~、感動的な話やったな~。
どう、文香ちゃん?

Fumika

……面白い、です。

番組MC

そろそろ面白い以外の感想、言ってみようか。
今の映像は~?

Fumika

……。
…………。
……………… !

Fumika

……面白かった、です?

番組MC

かった、になっただけやんか ! あははは !
天然かい !

収録後

番組MC

いや~、鷺沢さん、プロデューサーさん、
おかげでおもろくなったわ。
ほな、またな !

Fumika

ありがとう……ございます。
あの……プロデューサーさん?

Fumika

あ、はい……。
そう言っていただけて、ようやく生きた心地が……。

帰り道

Fumika

プロデューサーさんのたった一言が、今になって身に染みます。
うつむいていては、なにもできないんですね。
でも……。

Fumika

……うつむいてさえいなければ、どうにかなることもある。
そういうことだと思いました。
その理解で、合っているでしょうか?

Fumika

……ありがとうございます。
そういえば、本にも書いてありました。
目が前についているのは、前へ進むためだと。

Fumika

今夜から、夜空を見上げながら、帰ろうと思います。
今は……顔を上げて、視界を広げること。
今日はなにもできませんでしたが、少しずつ……。

そう言って、文香は上を向いて歩き出した……

Fumika

きゃっ。

Fumika

あぁ、すみません……。
上を向くというのは、比喩ですね……すみません。
お恥ずかしい話です。本当に……。