Kamijo Haruna/Memorial Commus
Contents
Memorial 1
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上条春菜 |
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オーディション後 |
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Haruna |
はぁ……やっぱり、私なんか……。あ、こ、こんばんわっ ! さっき、面接してくださったプロデューサーさん……ですよね。 先ほどは、ありがとうございました。 |
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P |
……? |
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Haruna |
あっ、これじゃわからないかな…… さっきは眼鏡をかけてませんでしたから。 はい、上条春菜です。そうですよね、印象にも残りませんよね。 |
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Haruna |
まわりは可愛い子ばっかりで、 眼鏡の子なんて一人もいなかったから、 オーディション直前で外したんです。 |
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Haruna |
そのせいか、ただ緊張してたせいか、わからないんですけど、 なんだかうまくしゃべれなくって……。 すみません……貴重なお時間をさいていただいたのに。 |
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Haruna |
なので、こうしてちょっとたそがれていました……。 こんなところ、見られてしまってお恥ずかしいです……。 |
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| 事情を聞く |
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Haruna |
私、そんなに暗い顔してましたか……? 当たって砕ける気持ちで受けたオーディションなのに、 当たって砕けてしまった気分なのは、たしかですけど……。 |
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Haruna |
ううん、結果は最初から決まってたのかもしれません……。 はぁ……自分を変えるチャンスかと思ったんだけどなぁ……。 初めて眼鏡をかけたときみたいな、新しい自分になれるって……。 |
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| 眼鏡? |
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Haruna |
えっ? ……眼鏡ですか? はい、もちろん毎日かけてます。 ……というか、もはや顔の一部です ! いや、この私の一部と言っても過言じゃないくらいです ! |
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Haruna |
でも、眼鏡って、ヤボったくて、根暗で…… とにかく、イケてないイメージじゃないですか。 私はアイドルになって、そんな自分を変えたいと思ったんです。 |
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Haruna |
だから、外したんですけど……私、本当は眼鏡が大好きなんです。 かけると、ボヤけていた視界がクリアになって、 明るい未来まで見通せるような気がして……。 |
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Haruna |
すみません、眼鏡のことばっかり語っちゃって。 さっきのオーディションでこれくらい語れたらなぁ……。 なんて、結果は変わらないですよね。すみません。 |
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| 眼鏡の君を採用 |
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Haruna |
眼鏡が理由で、採用……? だって私、ヤボったくて、根暗で……とにかく、イケてない…… この私を、採用……眼鏡アイドルにですか? |
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Haruna |
ありがとうございます ! まだ信じられないですけど……。 私、少しでも眼鏡の地位を向上させるため、頑張りますからっ ! って、眼鏡の心配より、まずは自分の心配ですね。えへへ……。 |
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Memorial 2
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上条春菜 |
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レッスンスタジオ |
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Haruna |
や、やっと終わった……。うう、身体がバラバラになりそう……。 こんなんで私、ホントにアイドルになれるのかなぁ……。 あっ ! プロデューサーさん ! お、おつかれさまです…… ! |
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| 話を聞く |
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Haruna |
あっ、き、聞こえてました……? 弱音を吐いちゃってすみません。 今日、初めてのレッスンなのに……。 |
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Haruna |
いきなりつまづいちゃったみたいで……。 ダンスは曲についていけなかったし、歌もうまく声が出なくて。 私ってこんなに出来ない子だったんですね……。 |
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Haruna |
あ、いえ、決してレッスンが嫌とかではないんですけど……。 心に余裕がないのかもしれません。 早くちゃんとしたアイドルにならなきゃって、焦ってしまって。 |
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Haruna |
それに、眼鏡っ子って、やっぱりどんくさいって思われたら、 とっても悔しいですし、なにより申し訳ないですからね…… 大好きな眼鏡に。 |
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| 眼鏡? |
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Haruna |
そうです、眼鏡に申し訳ないんです。 私がダメな子なのは、眼鏡だからとかじゃなくて、 私自身の問題だっていうことで……あ、そっか ! |
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Haruna |
……そうですよね。そもそも眼鏡は関係ないですよね ! 私は私のペースで、地道に一歩一歩、上達していけばいい…… ! ありがとうございます。おかげで気分が楽になりました ! |
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| ……。 |
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Haruna |
さすがプロデューサーさんは、アドバイスが的確ですね ! でも私、もっと完璧なスタイルを目指すことにします ! |
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Haruna |
ダンスのときはズレにくいスポーツ用眼鏡 ! ボーカルレッスンは譜面を読みやすい、度が強めの眼鏡 ! これなら、できなかったときは、本当に私のせいですよね? |
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Haruna |
ということでプロデューサーさん、お願いがあります。 これから、眼鏡を買いに行くのにつきあってもらえませんか? 初めてのアイドル用眼鏡が欲しいんです ! お願いします ! |
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Memorial 3
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上条春菜 |
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撮影スタジオ |
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Haruna |
プロデューサーさん ! スタジオ撮影、いよいよですね。とっても嬉しいです ! これから着替えて、宣材写真を撮影するんですよね。 |
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Haruna |
私もいよいよアイドルの仲間入り……緊張しちゃいます……。 フラッシュがいっぱい焚かれて、眩しいし……。 眼鏡に反射してNGになったら……嫌だなぁ……。 |
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| 眼鏡を外して 撮影する? |
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Haruna |
え? ……いやいや ! 眼鏡は絶対に外しませんよ? ! だってコレは、私の身体の一部ですから ! |
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Haruna |
というか、眼鏡を外して写真を撮られるなんて……。 そのうえ、たくさんの人にソレをじろじろ見られるなんて……。 そんな恥ずかしいことできませんっ ! |
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Haruna |
だから、眼鏡を外すくらいなら、 服を脱ぐ方がまだマシです ! |
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P |
……。 |
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Haruna |
あっ、今のは、言葉のあやと言いますか……。 そんな覚悟はないですし、ほら、アイドルですから、私 ! そういうのはNGですって ! ですよね ! ? |
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Haruna |
そ、それにほら ! 見てください ! この眼鏡は今日のために新調した、とっておきなんですよ? ! 昨日、一日かけて悩みに悩み抜いた、厳選した一品なんです ! |
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Haruna |
こんな素晴らしいものを外すなんて、 もったいないじゃないですか ! だから、今日はこの眼鏡で、撮影に挑みます ! |
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Haruna |
でも、ほんとはコレに頼らなくても、私はもう大丈夫ですけどね。 だって、眼鏡もふくめた全てが私という存在だって、 教えてくれましたよね。 |
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| 頷いた |
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Haruna |
そう思えるのは、プロデューサーさんのおかげです。 プロデューサーさんが、私の全部を認めてくれるからです ! |
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Haruna |
じゃあ、撮影頑張ってきます ! その目を曇らせないで、見守っててくださいねっ ! あと、最高の私をその目に焼き付けてくださいっ ! |
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Memorial 4
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上条春菜 |
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フェス前日 |
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Haruna |
はぁ、はぁ……。レッスン、やるだけはやりました。 でも正直、自信が全然なくて……。 明日の初ステージ、大丈夫かなぁ……。 |
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Haruna |
あの…… せめて、先輩アイドルの本番を見学させてもらえませんか? なにか参考になるものがほしくて。 |
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| ダメだ |
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Haruna |
そんな……どうしてですか ! このままじゃ私、なにがよくて、なにが悪いのかわからないまま、 ステージに上がることになっちゃいます……。だからお願いします ! |
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Haruna |
望み、聞いてくれて、ありがとうございます。 あの人が先輩アイドルですね。 どんなパフォーマンスをしたら喜んでもらえるか、勉強に…… ! |
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みーちゃん |
どうもー、みーちゃんでーす☆ いっえーい、お手手ふりふり、ぴーぽーぱー☆ |
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観客 |
ワアアアアアアッ ! ! |
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Haruna |
すごい、自信満々にあんなことできるなんて……。 これがアイドル……。 |
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Haruna |
すごかったです、プロデューサーさん。 ああいうパフォーマンスをしたら良いんですね ! ……でも、あんな風にできるかな? |
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| マネせず 自分らしくやって |
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Haruna |
え、自分らしく……ですか? あ、はい……。でも、あるんでしょうか? あのインパクトに負けない私らしさなんて……。 |
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本番前 |
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Haruna |
来ちゃった、フェス本番……。 結局、自分らしいステキさなんて、 なにも見当たらないまま……。 |
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Haruna |
私、地味だし、外見も性格もトークもパッとしないし……。 ほかの出演者は派手で、かわいくて……。 眼鏡を外した方が、すこしはマシに見られるなら、私……。 |
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| 自信を持つんだ ! |
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Haruna |
プロデューサーさん……? でも、そんなこと言われても……。 今日は、たいしたこと、できそうにありません……。 |
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| 眼鏡を信じて |
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Haruna |
眼鏡を……? それだけでいいんですか? どういう意味があるのか、わかりませんけど……。 わかりました。かけたまま、ステージに行ってきます……。 |
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Haruna |
あの……はじめまして……。上条春菜と言います。 こんな地味な私が、デビューさせていただくことになって。 正直まだまだ未熟で物足りないかもしれませんが……。 |
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Haruna |
それでも……それでも私は、これからアイドルとして、 頑張っていきたいんです。 こんな私ですが……よかったら声援を……。 |
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観客 |
…… ! |
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Haruna |
あっ……ありがとうございます ! 正直、遠くからの声、ここじゃ全然聞こえてないんですけど、 ちゃんと、見えてます ! ありがとうございますっ ! |
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フェス終了後 |
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| なにが見えた? |
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Haruna |
あ、プロデューサーさん……。 私、いっぱいいっぱいで、そんなに細かく見られませんでした。 とにかく、たくさんのお客さんがいて……。 |
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Haruna |
でも、そんな中に、ちゃんと……。 地味な私を見に来てくれた人も……少しだけど、ちゃんといて。 |
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Haruna |
今はなんにもできないけど、あの人たちになにかしたい。 あの人たちを、最後の最後まで、ガッカリさせたくないって そう、思いました。 |
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| 眼鏡が 教えてくれたな |
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Haruna |
眼鏡が……はい…… ! お客さんの姿がボンヤリしか見えてなかったら、 こんな気持ちにはなれなかったかも……。 |
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Haruna |
ありがとうございます、プロデューサーさん。 教えてくれたのは眼鏡ですけど、それに気づかせてくれて。 つぎは、ひとりひとりの顔、もっとハッキリ見てきます ! |
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